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事実と強い絆

「お姉ちゃん、おはよう!」
そう声をかけてくれたのは、妹のニア。

ここは花の咲き乱れる高原の近く。
そこにニアと二人、楽しく暮らしている。

よくわからないが、私たちの目の片方はダメになっている。
ニアは左、私は右。反対に。

もう春爛漫な今日この頃には参る。
春が嫌いなのではない。この時期になると、頭の片隅で、変な記憶が脳裏をかすめていくのだ。

“ごめんなさい…ごめんなさい…”
“私には、あなたたちを最後まで…見届ける事が出来ない。”

はっ。また…
でも懐かしいのだ。なんだかわからないが、とっても。

でも、そんなことがあった記憶がそもそものところでないし、声が不意に蘇るだけではっきり姿を思い出すことはない。
だから、余計に謎が深まるのだが…。

困ったものだ。

まぁ、だからと言ってどうしようもないけど。
外に咲く花にでも、歌って呪文をかけて遊ぼうかな。
少しなら、気がまぎれるだろう。

そう思った私…「リア」は外にかけていった。
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