昼前。
「あれ、ジャッキーさん！
　久しぶりですね！相変わらず元気そうで、何よりです！」
「スプールク！お前も相変わらずだな！
　ロリポップはどうしたんだ？」
「今日は用事、とか…」

俺とスプールクは、歩きながらどうでもいい他愛のないことを話していた。

「そうだ！スプールク、一緒に離れ小島行かねーか？」
「ええ、別にいいですけど、どうして？」
「それは着いてからだ」　

そう言い、また歩き出した。
あそこの眺めは雄大で好きなのだ。

着いてみると、案の定アクリが眠そうにしていた。
「ふぁぁぁ…っ」
「…って、寝ちゃダメじゃね？」
「！？って、ジャッキーにスプールク。どうしたの？」

かえって向こうが驚いたようだった。
そんなつもりはなかったんだが…

「どうした、って…
　遊びに来たんだけど…」
「スプールク、ロリポップはどうしたの？」
「用があるとか何とか…」

そんなやり取りをしつつ、俺は離れ小島の端に立った。この時見る景色に、いつも心洗われるのだ。

「…で、別にすることもないよ?」

「まあな。でも、ここってこの世界髄一の景色がきれいなとこだからさ、なんか見たくなって。

　これ見てるとさ、少し気が軽くなるんだ。」
昔のこと…本当は覚えている。

あの時、俺は一匹のドラゴンと衝突し、そのまま真っ逆さまに地面に落ち、叩き付けられた。
その衝動などで羽は負傷、今では治ってはいるがあまり飛べなくなった。

一応飛べるが。羽があの時破れ、あまり風を押せなくなったのだ。
左目もその時のものだ。
忘れてしまったが、何針も縫ったらしい。

しかし、その傷は完全には消せず、今もこうして残っている、というわけだ。