闇の帳の中で、僕らは
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「…でね、ずっと…」
…今朝、ネスの姿が見当たらないと小さな騒ぎとなり、まさかと思ってここまで探しに歩いてきた。
もし本当にあんな怪我でレティのもとを訪れたりしていたら、大変だと思ったから。
…一度前に、僕とマリオの二人でネスに代わってレティの元を訪ねたことがあるのだが、レティは半端ない癇癪の起こし方をした挙句に、攻撃して僕らを追い払ってきて。
それだけでもかなり一撃が重かったから、ネスの怪我の具合にも思わず納得してしまったほどだった。
なのに、あんな状態でレティのもとへ行くのは危険すぎる。
そう思ったんだけどなあ…
「…落ち着いてる…?」
「そうだ、あのね…」
「…」
なんと、レティは特に癇癪を起こすような素振りを見せない。
むしろ、どこかで安心したような様子にすら見える。
僕らの時は、もっと感情の起伏が激しかったのに。
「じゃあ、明日持ってくるね!」
「…別にいい」
「…」
僕だけが取り残されたようにそんな様子を唖然と眺める中、二人の様子は一見さほど変わらず仲の良さそうな兄弟のように見えて、なんだか少しほっこりとした気持ちになる。
…そういえば、ネスから”戻ってきて”という言葉を聞いたことがないような。
ネスは誰より、レティが戻ってきてくれるのを心待ちにしているはずなのに…
『…お前…ネスがあれだけ体を張ってでも、一緒にって…』
『ネス…?今は関係ないだろ。関係もないやつの名前を出してどうするって言うんだ?』
『関係ないわけないだろ!あいつは、お前に戻ってきてほしいって…』
『…うるさいな…どいつもこいつも口を開けば戻ってこい、だって?
笑わせるなよ。仲間だとか友情だとか、そんなこと知るかよ…』
前に会ったときの、レティが癇癪を起こす一歩手前までのやりとりがこれだ。
乾いたように笑いながらも、実際にはいらだちや憎しみしか映さないその表情はどこか怖かったのを覚えている。
…もしかしたら、ネスは初めっからレティが素直に戻るわけない、仮に力ずくとなっても、返って押され負けかねないというのを分かっていたのかもしれないなあ、なんて。
僕は二人がゆったり話すところへ水を差してしまうようなことがないうちに、その場から静かに立ち去ることにしたのだった。
…今朝、ネスの姿が見当たらないと小さな騒ぎとなり、まさかと思ってここまで探しに歩いてきた。
もし本当にあんな怪我でレティのもとを訪れたりしていたら、大変だと思ったから。
…一度前に、僕とマリオの二人でネスに代わってレティの元を訪ねたことがあるのだが、レティは半端ない癇癪の起こし方をした挙句に、攻撃して僕らを追い払ってきて。
それだけでもかなり一撃が重かったから、ネスの怪我の具合にも思わず納得してしまったほどだった。
なのに、あんな状態でレティのもとへ行くのは危険すぎる。
そう思ったんだけどなあ…
「…落ち着いてる…?」
「そうだ、あのね…」
「…」
なんと、レティは特に癇癪を起こすような素振りを見せない。
むしろ、どこかで安心したような様子にすら見える。
僕らの時は、もっと感情の起伏が激しかったのに。
「じゃあ、明日持ってくるね!」
「…別にいい」
「…」
僕だけが取り残されたようにそんな様子を唖然と眺める中、二人の様子は一見さほど変わらず仲の良さそうな兄弟のように見えて、なんだか少しほっこりとした気持ちになる。
…そういえば、ネスから”戻ってきて”という言葉を聞いたことがないような。
ネスは誰より、レティが戻ってきてくれるのを心待ちにしているはずなのに…
『…お前…ネスがあれだけ体を張ってでも、一緒にって…』
『ネス…?今は関係ないだろ。関係もないやつの名前を出してどうするって言うんだ?』
『関係ないわけないだろ!あいつは、お前に戻ってきてほしいって…』
『…うるさいな…どいつもこいつも口を開けば戻ってこい、だって?
笑わせるなよ。仲間だとか友情だとか、そんなこと知るかよ…』
前に会ったときの、レティが癇癪を起こす一歩手前までのやりとりがこれだ。
乾いたように笑いながらも、実際にはいらだちや憎しみしか映さないその表情はどこか怖かったのを覚えている。
…もしかしたら、ネスは初めっからレティが素直に戻るわけない、仮に力ずくとなっても、返って押され負けかねないというのを分かっていたのかもしれないなあ、なんて。
僕は二人がゆったり話すところへ水を差してしまうようなことがないうちに、その場から静かに立ち去ることにしたのだった。