それからというもの、僕は毎日のようにレティの元へ通い詰めた。

いつかきっと、戻ってきてくれる。
そう信じて、どれだけ痛い目を見ようともめげずにレティの元を訪ね続けた。

そんなある日。

「ネス…最近おかしいぞ…？毎日何かしらケガしてきて…」
「おまけにその怪我も、今回ばかりは一歩間違えたら致死レベルまで来てるし…」
「…大丈夫、平気！仕方ないから…」

そうものすごく心配そうにするマリオとリンクに笑いかけ、平気な素振りを見せる。

今日は…僕が悪かった。


レティはいつも僕が近づくと、追い払おうとしてか攻撃をしてくる。

いつもはそれで僕も止まって、少しでも戻る気持ちになってくれたら…と、最近の事を一方的ながら話すだけにとどめるようにしている。
のだけど、今日はちょっとした好奇心が沸き起こってしまって、さらに近寄ってしまったのだ。

…追い払うだけなら割と手加減してくれるから、それで気が少し緩んでいたのもあったかも。

まあとにかく、ただでさえ強い拒絶の中、どうにか時々でも、短くとも会話が成り立つようになってきた矢先に、いつかの感覚で近寄ってしまって。
普段の比にはならない強さの電撃が、僕に浴びせられたというのがこの怪我の大まかな理由である。

…流石にレティもまずいと思ったのか、はっとした様子になってから謝ってきたけれど。

「でもその怪我じゃあ、どのみちしばらくは安静にしてなくちゃいけないんじゃないか？」
「えっ…？」
「そうだな…まあレティを心配する気持ちも分かるが、ネスはしばらくの間休んだ方がいいな」
「そっ、そんなのやだ！別に動けるもん！痛くないし…っ！」

…急に無理して動こうとしたのが祟ったのか、体中に激痛が走る。

そんなことなどすでに見越していたのか、無理するな、とリンクから言われてしまった。

「大丈夫、あいつは僕らもどうにかして連れ戻せないか頑張ってみるから」
「…」

違う、そうじゃない…

そう言いたいのは山々ではあったものの、言うことができないまま二人に言いくるめられてしまう。
さらには動きたくても動くことが難しくて、そんな自分にイライラし始めてしまって。

どうにもならない気持ちから、涙が溢れてくる。

僕はどうにかその涙をこらえようと、必死に唇をかみながら俯いた。