名前呼びが嫌な場合は、マスターなど何らかの呼称でおkです
作曲拒否のマスターとルカの日常
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"ピピピピピピピピピピピピ……"
けたたましく鳴り響くうるさい目覚ましの音を前に、止めようと布団から手を伸ばして近くを漁る。
起きればすぐに解決するじゃん、と言えばそうなのだが、私はあいにく一度寝ると起きるのが嫌で嫌で仕方がない性分なので、このうるっさい目覚ましの音を慣らす大元のスマホを探し当てるまでは、基本的に手探りでしか探そうとしないのだ。…勿論、見つからなければ流石に起きるが。
「…絵兎、うるさいです…。さっさとそれ止めてください…」
「分かってるよ…」
頭の中にはてなマークを浮かべながら、なんならまだぼんやりとしたままスマホを探して手を動かす私とは反対に、隣で布団を引っ張って更に潜り込んでいく人影が一つ。ルカだ。
…一緒に暮らしているうちに私の生活ペースになじんだはいいが、その結果か、根本はロボットのはずなのに起床を非常に苦手とするようになってしまったらしい。ただ、私自身のことを考えれば、ある意味順当な結果とも言える…かもしれない。
「んと…あ、あった」
ようやっと見つけたスマホをこちらへ寄せると、ようやくまともに目を開いて画面を見る。
寝起き故か、目が悪いからなのか、いつも通りぼやけて見える画面を見つめながら、確か停止はこっちだったはず…と表示されたバーをスワイプさせ、騒がしいスマホを黙らせた。
ようやく戻った静寂に安心したのか、ルカの布団を引っ張る力がやや和らぐ。
同時に私も、軽く起こしていた体をまた布団へ戻す。
「…朝か…」
「絵兎はもう起きなきゃいけないでしょう…?」
「動きたくない…」
「駄目です」
「そういうルカは布団潜ってるんだから、ちょっとくらい許してよ」
そうやってうだうだと言いながら、暫くの間枕へ顔を突っ伏してぼうっと過ごす。とはいえ、これが原因で遅刻してしまうのも怖いので、流石に5分しない位で再び体を起こすと、どうにか準備をしようと動き出した。
ルカの方は私がトイレへ行っていた間に起きてきたようで、私が戻ってきた時には冷蔵庫から出したらしいジャムを手に、辺りを見渡している姿があった。おそらくはパンを探しているのだろう。
「パン?パンなら多分下の棚にあると思うけど」
「あ、そこでしたか。ありがとうございます」
長々と探させるのも悪いし、とストックを置いている場所を言葉で指し示せば、すぐに分かってくれたようでしゃがみ出すのが見えた。私も言ったものの、合っていたかどうかの自信がそこまでなかったので、念の為に傍で様子を見守る。
棚からルカがパンを取りだしたのを確認すると、私は私で着替えようと場を少し離れる。正直、ルカは自分よりも器用な気がするし、意味もなくずっとそこにとどまる必要もないだろう。
着替えも準備も終わると、先程ルカが準備してくれていたジャムパンを食べ、玄関へと向かう。…元々は別のパンを食べていたが、食べる片手間に準備やら着替えやらもしていたせいか、自分までせっつかれているようで嫌だというルカからの言葉で、今の形に置き換わっている。
ルカとしては座ってゆっくり食べてほしいらしいが、ただでさえ朝に弱い人間がそこそこ早い時間に家を出ないといけない、となると、それは無謀に等しいので諦めてもらっている。まあ、今じゃ本人も起きるのが苦手な状態なので、結果としては良かったのかもしれないが。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
ややバタバタしながらも、靴を履いて短いやり取りを交わす。
私の言葉にルカが微笑んで返事をしてくれたのが見えた後、気持ちを新たにして外へと歩き出した。
けたたましく鳴り響くうるさい目覚ましの音を前に、止めようと布団から手を伸ばして近くを漁る。
起きればすぐに解決するじゃん、と言えばそうなのだが、私はあいにく一度寝ると起きるのが嫌で嫌で仕方がない性分なので、このうるっさい目覚ましの音を慣らす大元のスマホを探し当てるまでは、基本的に手探りでしか探そうとしないのだ。…勿論、見つからなければ流石に起きるが。
「…絵兎、うるさいです…。さっさとそれ止めてください…」
「分かってるよ…」
頭の中にはてなマークを浮かべながら、なんならまだぼんやりとしたままスマホを探して手を動かす私とは反対に、隣で布団を引っ張って更に潜り込んでいく人影が一つ。ルカだ。
…一緒に暮らしているうちに私の生活ペースになじんだはいいが、その結果か、根本はロボットのはずなのに起床を非常に苦手とするようになってしまったらしい。ただ、私自身のことを考えれば、ある意味順当な結果とも言える…かもしれない。
「んと…あ、あった」
ようやっと見つけたスマホをこちらへ寄せると、ようやくまともに目を開いて画面を見る。
寝起き故か、目が悪いからなのか、いつも通りぼやけて見える画面を見つめながら、確か停止はこっちだったはず…と表示されたバーをスワイプさせ、騒がしいスマホを黙らせた。
ようやく戻った静寂に安心したのか、ルカの布団を引っ張る力がやや和らぐ。
同時に私も、軽く起こしていた体をまた布団へ戻す。
「…朝か…」
「絵兎はもう起きなきゃいけないでしょう…?」
「動きたくない…」
「駄目です」
「そういうルカは布団潜ってるんだから、ちょっとくらい許してよ」
そうやってうだうだと言いながら、暫くの間枕へ顔を突っ伏してぼうっと過ごす。とはいえ、これが原因で遅刻してしまうのも怖いので、流石に5分しない位で再び体を起こすと、どうにか準備をしようと動き出した。
ルカの方は私がトイレへ行っていた間に起きてきたようで、私が戻ってきた時には冷蔵庫から出したらしいジャムを手に、辺りを見渡している姿があった。おそらくはパンを探しているのだろう。
「パン?パンなら多分下の棚にあると思うけど」
「あ、そこでしたか。ありがとうございます」
長々と探させるのも悪いし、とストックを置いている場所を言葉で指し示せば、すぐに分かってくれたようでしゃがみ出すのが見えた。私も言ったものの、合っていたかどうかの自信がそこまでなかったので、念の為に傍で様子を見守る。
棚からルカがパンを取りだしたのを確認すると、私は私で着替えようと場を少し離れる。正直、ルカは自分よりも器用な気がするし、意味もなくずっとそこにとどまる必要もないだろう。
着替えも準備も終わると、先程ルカが準備してくれていたジャムパンを食べ、玄関へと向かう。…元々は別のパンを食べていたが、食べる片手間に準備やら着替えやらもしていたせいか、自分までせっつかれているようで嫌だというルカからの言葉で、今の形に置き換わっている。
ルカとしては座ってゆっくり食べてほしいらしいが、ただでさえ朝に弱い人間がそこそこ早い時間に家を出ないといけない、となると、それは無謀に等しいので諦めてもらっている。まあ、今じゃ本人も起きるのが苦手な状態なので、結果としては良かったのかもしれないが。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
ややバタバタしながらも、靴を履いて短いやり取りを交わす。
私の言葉にルカが微笑んで返事をしてくれたのが見えた後、気持ちを新たにして外へと歩き出した。