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作曲拒否のマスターとルカの日常
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…なんだか、全てが億劫にしか感じられない。
ここ暫くは気持ちが沈み気味だという自覚こそあったが、週末休みに入った途端、何もかもに意欲が持てずこうなってしまっている。
元々気分の波が激しい性分ではあるけれど、ルカが一緒になってからはあらかた落ち着いていたのに。やっぱりダメだったのか、なんて。
こんな自分が嫌で、僅かに表情を曇らせながらさらに体を縮こませて、何かから隠れるように丸まった。苦しいはずなのに、その根源が分からなくて、より塞ぎ込んでいく自分がいる。
「絵兎、流石にもう起きた方が良いですよ。お昼前ですし…」
「分かってる…」
そんな中で、本人も幾ら朝に弱いとはいえ、数時間前には起きていたルカが、私の体を軽く揺すって起こそうとしてくれる。私も寝っぱなしが体に悪いこと自体はわかっているのだが、それでもどうしても起こす気になれないのが今なわけで。
暫くすると起きない私へ呆れたのか、小さくため息を付く音が聞こえてくる。さっきから気にしてくれるのがありがたくも申し訳なく感じていたこともあり、もしかしてこれで諦めたのかな、と少し安心した矢先、ねえ、と静かに話しかけられた。
「最近、何かあったんですか。ここ暫くの間、少し変ですけど」
「…何もないよ。あるとすれば、私の気の持ちようの問題くらいで」
「でも…」
「ほんとに何も無いの。放っといてくれればそのうち戻るから…」
ルカとしてもずっと心配してくれていたのだろう、いつになくかなり食い気味に尋ねてくる。が、今は少し静かにしていて欲しい、という本音のほうが勝り、無意識のうちにやや語気を強めて言葉を返してしまった。ルカの方も、今の私がどうしようもない状況なのだと言うことだけは何となく察したのか、戸惑いと躊躇いを滲ませているのが見ててもわかる。
内心、ルカへそんな反応をさせたかったわけじゃない、と申し訳なくなる一方で、そんな風にさせてしまう今の自分への嫌悪感がさらに募る。
「…えっと…なんかごめん…」
「別に気にしてませんよ。あれくらい」
「本当、もうやだ…」
つい涙声でそう呟きながら、泣きそうになる顔をルカに見られたくなくて、軽く身を捩って布団の方へ埋める。…何も言わずに背中を撫でてくれるルカの手が優しくて、酷く荒みきった自分の心がより醜く見えて仕方ない。
「…私には、これくらいしかできませんけど…」
「ごめん…こんなでさ…」
「何で絵兎が謝るんです」
「…でも、さ…はあ…」
…いっそ、消えてしまえれば…
聞こえない程度の声で、本音をぼやく。…私としては本当に小さく呟いただけだと思っていたが、どうやらルカには聞こえてしまったらしく、えっ?と困惑した顔を向けられた。普段は特に拾われないような音量だったこともあって、機械の集音機能の能力をすっかり舐めていたのだ。
しまったと思っても、もう既に遅い。せめて異なる言葉で聞こえていればいいのに、という私の願いも虚しく、しっかり聞き取られてしまったらしい。ルカとしても、こればかりは流石に黙って見過ごすことは出来なかったのだろう。言葉の真意を探るように、私へ静かに詰め寄ってくる。
「どういうことです…?」
「その、今のは…」
「絵兎」
普段とは打って変わり、話せ、という緩い圧を纏いながらルカが私を呼んでくる。
正直なところで、日頃からぼやっと抱えていることとはいえど、内容が内容なのでかなり話しにくい。さらに本音を言えば、今日のはたまたま出てしまったに過ぎないので、見なかったことにしてくれた方がありがたい気持ちもある。
けれど、これは私にとっての都合でしかないわけで。
「…もしかして、前からあったっていうのは、その"消えたい"って気持ち…ですか…?」
「…まあ、そうだね」
何にせよこんな姿を晒しておいて、今更逃げるなんてのも流石に難しいか、と諦めると、恐る恐る尋ねてくるルカへ答えを返す。
「社会人になって酷くなった側面もあるけど、これ自体はずっと前からあるよ」
「それってつまり、私といるときも」
「それはないよ。ただ…その…」
ルカといるときはそんなこと思わない。ただこう言いたいだけなのだが、どうしても上手い言い回しが見つからず、つい癖で黙り込んでしまう。そんな事をすれば、勘違いさせるだけだと分かっているのに。
ルカの方も色々と思うところがあったのだろう、少し気持ちを整理させてほしいです、と部屋を出て行ってしまった。
「…」
…きっとこれで、ルカのことを物凄く傷つけてしまった。ずっとずっと、傍で寄り添っていてくれたのに。
自らの選択の結果とはいえ、無くなった温もりが恋しい気持ちに駆られる一方、誰にも会いたくないし動くにしても辛く感じる自分がいて、全てをひっくるめて大っ嫌いという感情で埋め尽くされていく。
そんな自分がもう嫌だと、泣きそうになる顔を布団へ埋め、視界を塞いだ。
ここ暫くは気持ちが沈み気味だという自覚こそあったが、週末休みに入った途端、何もかもに意欲が持てずこうなってしまっている。
元々気分の波が激しい性分ではあるけれど、ルカが一緒になってからはあらかた落ち着いていたのに。やっぱりダメだったのか、なんて。
こんな自分が嫌で、僅かに表情を曇らせながらさらに体を縮こませて、何かから隠れるように丸まった。苦しいはずなのに、その根源が分からなくて、より塞ぎ込んでいく自分がいる。
「絵兎、流石にもう起きた方が良いですよ。お昼前ですし…」
「分かってる…」
そんな中で、本人も幾ら朝に弱いとはいえ、数時間前には起きていたルカが、私の体を軽く揺すって起こそうとしてくれる。私も寝っぱなしが体に悪いこと自体はわかっているのだが、それでもどうしても起こす気になれないのが今なわけで。
暫くすると起きない私へ呆れたのか、小さくため息を付く音が聞こえてくる。さっきから気にしてくれるのがありがたくも申し訳なく感じていたこともあり、もしかしてこれで諦めたのかな、と少し安心した矢先、ねえ、と静かに話しかけられた。
「最近、何かあったんですか。ここ暫くの間、少し変ですけど」
「…何もないよ。あるとすれば、私の気の持ちようの問題くらいで」
「でも…」
「ほんとに何も無いの。放っといてくれればそのうち戻るから…」
ルカとしてもずっと心配してくれていたのだろう、いつになくかなり食い気味に尋ねてくる。が、今は少し静かにしていて欲しい、という本音のほうが勝り、無意識のうちにやや語気を強めて言葉を返してしまった。ルカの方も、今の私がどうしようもない状況なのだと言うことだけは何となく察したのか、戸惑いと躊躇いを滲ませているのが見ててもわかる。
内心、ルカへそんな反応をさせたかったわけじゃない、と申し訳なくなる一方で、そんな風にさせてしまう今の自分への嫌悪感がさらに募る。
「…えっと…なんかごめん…」
「別に気にしてませんよ。あれくらい」
「本当、もうやだ…」
つい涙声でそう呟きながら、泣きそうになる顔をルカに見られたくなくて、軽く身を捩って布団の方へ埋める。…何も言わずに背中を撫でてくれるルカの手が優しくて、酷く荒みきった自分の心がより醜く見えて仕方ない。
「…私には、これくらいしかできませんけど…」
「ごめん…こんなでさ…」
「何で絵兎が謝るんです」
「…でも、さ…はあ…」
…いっそ、消えてしまえれば…
聞こえない程度の声で、本音をぼやく。…私としては本当に小さく呟いただけだと思っていたが、どうやらルカには聞こえてしまったらしく、えっ?と困惑した顔を向けられた。普段は特に拾われないような音量だったこともあって、機械の集音機能の能力をすっかり舐めていたのだ。
しまったと思っても、もう既に遅い。せめて異なる言葉で聞こえていればいいのに、という私の願いも虚しく、しっかり聞き取られてしまったらしい。ルカとしても、こればかりは流石に黙って見過ごすことは出来なかったのだろう。言葉の真意を探るように、私へ静かに詰め寄ってくる。
「どういうことです…?」
「その、今のは…」
「絵兎」
普段とは打って変わり、話せ、という緩い圧を纏いながらルカが私を呼んでくる。
正直なところで、日頃からぼやっと抱えていることとはいえど、内容が内容なのでかなり話しにくい。さらに本音を言えば、今日のはたまたま出てしまったに過ぎないので、見なかったことにしてくれた方がありがたい気持ちもある。
けれど、これは私にとっての都合でしかないわけで。
「…もしかして、前からあったっていうのは、その"消えたい"って気持ち…ですか…?」
「…まあ、そうだね」
何にせよこんな姿を晒しておいて、今更逃げるなんてのも流石に難しいか、と諦めると、恐る恐る尋ねてくるルカへ答えを返す。
「社会人になって酷くなった側面もあるけど、これ自体はずっと前からあるよ」
「それってつまり、私といるときも」
「それはないよ。ただ…その…」
ルカといるときはそんなこと思わない。ただこう言いたいだけなのだが、どうしても上手い言い回しが見つからず、つい癖で黙り込んでしまう。そんな事をすれば、勘違いさせるだけだと分かっているのに。
ルカの方も色々と思うところがあったのだろう、少し気持ちを整理させてほしいです、と部屋を出て行ってしまった。
「…」
…きっとこれで、ルカのことを物凄く傷つけてしまった。ずっとずっと、傍で寄り添っていてくれたのに。
自らの選択の結果とはいえ、無くなった温もりが恋しい気持ちに駆られる一方、誰にも会いたくないし動くにしても辛く感じる自分がいて、全てをひっくるめて大っ嫌いという感情で埋め尽くされていく。
そんな自分がもう嫌だと、泣きそうになる顔を布団へ埋め、視界を塞いだ。