名前呼びが嫌な場合は、マスターなど何らかの呼称でおkです
作曲拒否のマスターとルカの日常
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「うわあーん…!」
ルカから一緒に出かけたいと言われ、ちょっと離れたショッピングモールをフラフラした午前中。帰り際に小腹が空いたね、と近くのコンビニで適当に食べ物を買った後、そう遠くない場所にあった公園のベンチに座って食べ…ようとしていた。
「とりあえず、泣くのは終わりにしましょう…?リンちゃん」
「おうちに帰りたいよう…!!」
が、見ての通り迷子らしいリンが大泣きしており、それどころではなく。
見かけた時は不安そうでも泣いてはいなかったのだが、声をかけたら色々爆発させてしまったのか、びっくりするほど泣き出してしまい今に至る。ルカにしても私にしても、普段生活している中でこんなに泣くことも、逆にここまで泣き出すような知り合いもなく、どうすれば良いのか分からないままに宥めてみるしか出来ず。
…結局、リンが泣き止んだのはかれこれ10分程後だった。
「ひっぐ…」
「落ち着きました?」
「…うん…」
涙の勢いが落ち着いてきた頃合いを見計らって、ルカがリンへ話しかける。取り敢えず手持ちのハンカチを手渡せば、涙でぐしょ濡れになった顔を拭くのがみえる。まあ多少の汚れは洗えばいいし、涙以外についたとしてもいいや、と自分へ言い聞かせるように考える。
「おうちじゃなくて、リンちゃんのマスターさんの連絡先とか…分かる?」
「分かんない…」
「何処かではぐれたんですか?」
「ううん…レンと喧嘩して、家を飛び出してきちゃったの…」
その辺りもある程度落ち着いてからゆっくり話を聞いてみると、普段からよくあるような喧嘩からマスターさんの家を飛び出してきたらしい。で、まあ少し離れたところでも帰れるだろうと思って高を括っていたら、自分の想像以上にあっちこっち行っていたようで場所が分からなくなってしまい、結局帰れなくなってしまったという。
しかし場所が分からないとなると、私たちにもどうしようもないし…と考え込んでいると、ふとあることを思い付いて、すっかりしょげているリンへ話しかけた。
「あっ、じゃあ家の近くにあるお店とか…分かる?できたら個人商店が良いけど…」
「お店?どうして?」
「そこまでの道なら、スマホで調べて出せるかなって」
「なるほど、確かにそこまで行けば帰れそうですもんね」
ルカは私の言わんとしていることを直ぐに汲んでくれたのか、納得したような言葉を言いながら頷いてくれる。肝心のリンは大丈夫だろうか、と様子を見れば、どうやら傍で私とルカの話を聞くうちに納得したらしく、思い出そうと考え出すのが見える。暫く待っていると思い出したのか、名前を教えてくれた。
その名前で調べれば、ここから歩いて10数分程の位置だと、ルートと一緒に表示される。なら行こうか、と画面を見ながらルカと話して、ベンチから立ちあがった。
リンの方はと言うと、突然立ち上がった私たちに戸惑っているのがわかる。
「場所、分かったの?」
「うん。とりあえず、そのお店のとこまで一緒に行こうか」
置いていかれると思ったのか、不安そうにこちらを見つめてくるリンへそう声をかければ、途端に顔を明るくして、うん!と頷いてくれる。
暫くはスマホのマップを頼りにゆっくり目で歩いていたが、少しするとリンもどの辺りか分かってきたようで、途中から迷子になった為の不安は見えなくなっていった。それならと思って、もう大丈夫?とひと声かけてみれば、うん!とニコニコしながら頷いてくれる。
「ありがとう、お姉さんたち!」
「いえ、良いんですよ」
「…あ、リン!」
さらには丁度良く、離れたところからリンの知り合いだろうミクの声が聞こえる。リンも声のした方向へ走っていったので、それならもう大丈夫だろう、と私とルカも帰ることにした。
「…お腹すいたね」
「ですね…」
…ただ、気付けば昼下がりまで何も食べていないので、もう元気という元気もなく。ルカも私も普段以上の空腹感に、心は半ば虚無になっていた。
ルカから一緒に出かけたいと言われ、ちょっと離れたショッピングモールをフラフラした午前中。帰り際に小腹が空いたね、と近くのコンビニで適当に食べ物を買った後、そう遠くない場所にあった公園のベンチに座って食べ…ようとしていた。
「とりあえず、泣くのは終わりにしましょう…?リンちゃん」
「おうちに帰りたいよう…!!」
が、見ての通り迷子らしいリンが大泣きしており、それどころではなく。
見かけた時は不安そうでも泣いてはいなかったのだが、声をかけたら色々爆発させてしまったのか、びっくりするほど泣き出してしまい今に至る。ルカにしても私にしても、普段生活している中でこんなに泣くことも、逆にここまで泣き出すような知り合いもなく、どうすれば良いのか分からないままに宥めてみるしか出来ず。
…結局、リンが泣き止んだのはかれこれ10分程後だった。
「ひっぐ…」
「落ち着きました?」
「…うん…」
涙の勢いが落ち着いてきた頃合いを見計らって、ルカがリンへ話しかける。取り敢えず手持ちのハンカチを手渡せば、涙でぐしょ濡れになった顔を拭くのがみえる。まあ多少の汚れは洗えばいいし、涙以外についたとしてもいいや、と自分へ言い聞かせるように考える。
「おうちじゃなくて、リンちゃんのマスターさんの連絡先とか…分かる?」
「分かんない…」
「何処かではぐれたんですか?」
「ううん…レンと喧嘩して、家を飛び出してきちゃったの…」
その辺りもある程度落ち着いてからゆっくり話を聞いてみると、普段からよくあるような喧嘩からマスターさんの家を飛び出してきたらしい。で、まあ少し離れたところでも帰れるだろうと思って高を括っていたら、自分の想像以上にあっちこっち行っていたようで場所が分からなくなってしまい、結局帰れなくなってしまったという。
しかし場所が分からないとなると、私たちにもどうしようもないし…と考え込んでいると、ふとあることを思い付いて、すっかりしょげているリンへ話しかけた。
「あっ、じゃあ家の近くにあるお店とか…分かる?できたら個人商店が良いけど…」
「お店?どうして?」
「そこまでの道なら、スマホで調べて出せるかなって」
「なるほど、確かにそこまで行けば帰れそうですもんね」
ルカは私の言わんとしていることを直ぐに汲んでくれたのか、納得したような言葉を言いながら頷いてくれる。肝心のリンは大丈夫だろうか、と様子を見れば、どうやら傍で私とルカの話を聞くうちに納得したらしく、思い出そうと考え出すのが見える。暫く待っていると思い出したのか、名前を教えてくれた。
その名前で調べれば、ここから歩いて10数分程の位置だと、ルートと一緒に表示される。なら行こうか、と画面を見ながらルカと話して、ベンチから立ちあがった。
リンの方はと言うと、突然立ち上がった私たちに戸惑っているのがわかる。
「場所、分かったの?」
「うん。とりあえず、そのお店のとこまで一緒に行こうか」
置いていかれると思ったのか、不安そうにこちらを見つめてくるリンへそう声をかければ、途端に顔を明るくして、うん!と頷いてくれる。
暫くはスマホのマップを頼りにゆっくり目で歩いていたが、少しするとリンもどの辺りか分かってきたようで、途中から迷子になった為の不安は見えなくなっていった。それならと思って、もう大丈夫?とひと声かけてみれば、うん!とニコニコしながら頷いてくれる。
「ありがとう、お姉さんたち!」
「いえ、良いんですよ」
「…あ、リン!」
さらには丁度良く、離れたところからリンの知り合いだろうミクの声が聞こえる。リンも声のした方向へ走っていったので、それならもう大丈夫だろう、と私とルカも帰ることにした。
「…お腹すいたね」
「ですね…」
…ただ、気付けば昼下がりまで何も食べていないので、もう元気という元気もなく。ルカも私も普段以上の空腹感に、心は半ば虚無になっていた。