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作曲拒否のマスターとルカの日常
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「…」
ちょっと部屋で作業しながら鼻歌を歌っていると、何か思うところがあったのか、ルカがさっきからこちらをじっと見てくる。鼻歌を歌っていると言っても機嫌がすごぶるいい訳ではなく、むしろ実際のところは自分のご機嫌取りが中心だが。
「…えっと、どうかした?」
「その、少し気になっただけなんですけど」
「うん」
「歌ってるのって、リンやミクの歌が多いですよね…?」
あまりに気になって声をかけてみれば、やや言いにくそうに、おずおずとそんなことを訊ねられた。とはいえ私も特段気にしていた訳ではなかったので、そういえば、と言葉を返す。
「やっぱり、時々気になってしまって」
「うーん、特別な意味はないかなあ…単に偶然でしかないというか…」
そんな風に言葉を返しながら、私が聴く曲を思い浮かべる。そもそもの話で私が新しく曲を探しに行かない、というのも大きいのだが、好き好んで聞くボカロPさんの使っている子たちがちょうどその二人が多かった、と言うだけにすぎないのでなんとも言えない。
逆にルカの曲は気に入ってから探す為、新しく見つかることはなくとも基本的にお気に入りの曲ばかりだ。ただし、その弊害でそもそもの数が少ないと言う部分はある…が、これに関しては話題に上がった二人以外も似たり寄ったりなので、これもやはりなんとも言えなさが残る。
「新規開拓苦手だからなあ…私」
「そんなに苦手なんですか?」
「正直気持ちの余裕とかがないとキツい、かな。今はかなりマシになってるけど、昔はそもそもボカロの声が苦手だったんだよねえ…」
まあ、その頃の苦手意識があらかた慣れた今でも大きく障壁となっているのは言うまでもなく。人が歌う曲でもあまり掘り出したりしないのに、この壁のせいでボカロに関しては更にハードルが上がっていることもある。
そんな風に考えていると、分かりましたけど、とルカが話し始めるのが聞こえた。
「それなら夜勤のたびにリンの曲が流れるのはなんでだろう、とも思うんですけど」
「その曲は曲調と歌詞で選んだだけだよ」
「…仕事に恨みでもあるんです?ってくらい憎しみしか感じない曲選ですね…」
私からの答えに半ば呆れた様子をしながらも、ルカが言葉を返してくれる。
実際のところはルカの曲も考えてはいたが、何だか逆に寝そうな気がして没にした経緯がある。歌詞やメロディー自体はかなり好きなのだが、曲そのものの絶妙な音域に悩み、結局諦めたのだ。
「曲はアレだけど、別に恨みなんてないよ。そりゃあ面倒臭いって思うことは多いけど」
「まあ確かに、想像に難くないです」
「あとは自分の寝起きの悪さかな〜…」
軽く考えながらそう返事をすれば、ルカ自身もう常々見ていて想像に難くなかったのか、それ以上特に何か言うこともなく、あっさり納得しているように見えた。実際、起き渋っている姿を間近で見ている訳だし、ここで納得いかないと言われる方が驚くような気さえする。
そんなこんなで作業に戻る傍ら、気分が変えたくなって他の曲を口ずさみ出す。
「今歌ってるのも、ミクの曲…」
「これは最近聞いたばかりってのも大きいけどね…」
「…何だか、少し複雑です…」
ちょっと部屋で作業しながら鼻歌を歌っていると、何か思うところがあったのか、ルカがさっきからこちらをじっと見てくる。鼻歌を歌っていると言っても機嫌がすごぶるいい訳ではなく、むしろ実際のところは自分のご機嫌取りが中心だが。
「…えっと、どうかした?」
「その、少し気になっただけなんですけど」
「うん」
「歌ってるのって、リンやミクの歌が多いですよね…?」
あまりに気になって声をかけてみれば、やや言いにくそうに、おずおずとそんなことを訊ねられた。とはいえ私も特段気にしていた訳ではなかったので、そういえば、と言葉を返す。
「やっぱり、時々気になってしまって」
「うーん、特別な意味はないかなあ…単に偶然でしかないというか…」
そんな風に言葉を返しながら、私が聴く曲を思い浮かべる。そもそもの話で私が新しく曲を探しに行かない、というのも大きいのだが、好き好んで聞くボカロPさんの使っている子たちがちょうどその二人が多かった、と言うだけにすぎないのでなんとも言えない。
逆にルカの曲は気に入ってから探す為、新しく見つかることはなくとも基本的にお気に入りの曲ばかりだ。ただし、その弊害でそもそもの数が少ないと言う部分はある…が、これに関しては話題に上がった二人以外も似たり寄ったりなので、これもやはりなんとも言えなさが残る。
「新規開拓苦手だからなあ…私」
「そんなに苦手なんですか?」
「正直気持ちの余裕とかがないとキツい、かな。今はかなりマシになってるけど、昔はそもそもボカロの声が苦手だったんだよねえ…」
まあ、その頃の苦手意識があらかた慣れた今でも大きく障壁となっているのは言うまでもなく。人が歌う曲でもあまり掘り出したりしないのに、この壁のせいでボカロに関しては更にハードルが上がっていることもある。
そんな風に考えていると、分かりましたけど、とルカが話し始めるのが聞こえた。
「それなら夜勤のたびにリンの曲が流れるのはなんでだろう、とも思うんですけど」
「その曲は曲調と歌詞で選んだだけだよ」
「…仕事に恨みでもあるんです?ってくらい憎しみしか感じない曲選ですね…」
私からの答えに半ば呆れた様子をしながらも、ルカが言葉を返してくれる。
実際のところはルカの曲も考えてはいたが、何だか逆に寝そうな気がして没にした経緯がある。歌詞やメロディー自体はかなり好きなのだが、曲そのものの絶妙な音域に悩み、結局諦めたのだ。
「曲はアレだけど、別に恨みなんてないよ。そりゃあ面倒臭いって思うことは多いけど」
「まあ確かに、想像に難くないです」
「あとは自分の寝起きの悪さかな〜…」
軽く考えながらそう返事をすれば、ルカ自身もう常々見ていて想像に難くなかったのか、それ以上特に何か言うこともなく、あっさり納得しているように見えた。実際、起き渋っている姿を間近で見ている訳だし、ここで納得いかないと言われる方が驚くような気さえする。
そんなこんなで作業に戻る傍ら、気分が変えたくなって他の曲を口ずさみ出す。
「今歌ってるのも、ミクの曲…」
「これは最近聞いたばかりってのも大きいけどね…」
「…何だか、少し複雑です…」