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作曲拒否のマスターとルカの日常
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ぴちゃぴちゃと、壁越しに聞こえてくる静かな音。
硝子戸のカーテンを軽くめくって外を見れば、案の定外では雨が降っていた。
「うわ…」
「…やはり雨でしたか」
私がカーテンをめくったタイミングでちらと見たのか、傍で座って本を読んでいたルカがやや気怠げに呟くのが聞こえる。
とりあえずカーテンを戻して窓際から離れると、無意識のうちにため息を零しながらソファへ座り込んだ。
「もうやだ…今日はどこも行かないでおこう…」
「買い物はいいんですか?」
「行かなきゃなあ…行きたくないけど…」
元よりそうだが、雨が降っていることでより動く気力が湧かず、そう言いながらソファへぐでっと倒れ込む。もう何もしたくない、と小さくぼやくと、あら…とルカが本を読む手を止めてこちらを向いてきた。
「もし今から寝るんだったら、布団に行った方が…」
「いやまあ、確かに寝るけどさ。今寝るか、って言うと…まあ寝てもいいんだけど…」
が、ソファに倒れ込んだことで勘違いをさせてしまったらしく、ちょっと予想外の突っ込まれ方をされた。そんなルカの親切心を無碍にもできず、大丈夫だからと言葉を濁しまくりながら、とりあえずゆっくり体を起こす。…雨のせいでもう半ば投げやりの私に対し、ルカは普段通りなのが少し羨ましいな…なんて思っていると、何を思ったのか空いた右隣にルカが腰掛けてきた。
「雨、意外と気が滅入りますね」
「ルカも?」
「雨音のせいか、少し閉塞的に感じてしまって。悪いものじゃないって、分かってはいるんですけどね」
「機械でも感じるんだ、そういうの」
なんか意外だな、と零すと、案外人と大差ないと思いますよ?とあっさり返される。一応言っておけば、湿気で機械の動きが鈍ったり、軋んだり、といった方向は私も容易に想像がつくのだが…
普段と比べてやや顔を曇らせているルカの様子を見ながら、ここまで高度になってくると本当に人と変わらないのか、なんて他人事のような感想がふと浮かんだ。
「明日は晴れるかなあ…」
「晴れたら良いですけどねえ…」
「けど暫く雨らしいからなあ…もう仕事も行きたくない…」
「それは行かなきゃダメだと思いますけど」
すっかりダレている中でも冷静に突っ込んでくるルカへ、分かってるよーと気のない返事をする。
ルカの方もいつものダレ具合だと分かっているのか、それ以上の突っ込みや確認は特にしてこない。いやまあ、雨で閉塞感のある中で追及されるのはかなりキツイし、御免被りたいけど。
その後は暇なあまり、普段の癖で特になんの意味もなく手元を動かして眺めて過ごす。これといった面白みもないが、何も考えずにぼうっと見つめている分にはちょっと楽しい。そんなことを一人で黙々とやっていると、途中から右肩へだんだんと重さがかかってくる感触がし始めた。もしかして寝ちゃってるのかな、と隣を見れば、案の定夢の世界へ入りかけているルカの姿があった。
「ルカ、布団空いてるよ」
「…大丈夫です、から…」
まるでまだ眠くないと言わんばかりに、私の言葉に嫌々と頭を振って拒否してくる。でも、と言いかければ、今度は意地でも動かないというように頭を寄せながら右腕に抱きついてきた。が、様子からして既に半分眠った状態に見える。
「…私も少し眠いし、どうせならもう一緒に寝る?」
そう尋ねれば、ややむすっとしていた表情が和らぎ、小さめながらこくりと頷いてくれる。余程一人で眠るのが嫌だったのか、なんてことも思ったが、普段は一人で眠っている日もあるし、単に気分の問題だろう…と考えるのは止めることにした。
布団へ入るなり、ルカは相当眠かったのかスッと眠ってしまう。私もしばらくうつらうつらとするうちに、いつしか眠りの淵へ落ちていた。
…その後は二人一緒に、ずっと布団で寝て過ごした。
硝子戸のカーテンを軽くめくって外を見れば、案の定外では雨が降っていた。
「うわ…」
「…やはり雨でしたか」
私がカーテンをめくったタイミングでちらと見たのか、傍で座って本を読んでいたルカがやや気怠げに呟くのが聞こえる。
とりあえずカーテンを戻して窓際から離れると、無意識のうちにため息を零しながらソファへ座り込んだ。
「もうやだ…今日はどこも行かないでおこう…」
「買い物はいいんですか?」
「行かなきゃなあ…行きたくないけど…」
元よりそうだが、雨が降っていることでより動く気力が湧かず、そう言いながらソファへぐでっと倒れ込む。もう何もしたくない、と小さくぼやくと、あら…とルカが本を読む手を止めてこちらを向いてきた。
「もし今から寝るんだったら、布団に行った方が…」
「いやまあ、確かに寝るけどさ。今寝るか、って言うと…まあ寝てもいいんだけど…」
が、ソファに倒れ込んだことで勘違いをさせてしまったらしく、ちょっと予想外の突っ込まれ方をされた。そんなルカの親切心を無碍にもできず、大丈夫だからと言葉を濁しまくりながら、とりあえずゆっくり体を起こす。…雨のせいでもう半ば投げやりの私に対し、ルカは普段通りなのが少し羨ましいな…なんて思っていると、何を思ったのか空いた右隣にルカが腰掛けてきた。
「雨、意外と気が滅入りますね」
「ルカも?」
「雨音のせいか、少し閉塞的に感じてしまって。悪いものじゃないって、分かってはいるんですけどね」
「機械でも感じるんだ、そういうの」
なんか意外だな、と零すと、案外人と大差ないと思いますよ?とあっさり返される。一応言っておけば、湿気で機械の動きが鈍ったり、軋んだり、といった方向は私も容易に想像がつくのだが…
普段と比べてやや顔を曇らせているルカの様子を見ながら、ここまで高度になってくると本当に人と変わらないのか、なんて他人事のような感想がふと浮かんだ。
「明日は晴れるかなあ…」
「晴れたら良いですけどねえ…」
「けど暫く雨らしいからなあ…もう仕事も行きたくない…」
「それは行かなきゃダメだと思いますけど」
すっかりダレている中でも冷静に突っ込んでくるルカへ、分かってるよーと気のない返事をする。
ルカの方もいつものダレ具合だと分かっているのか、それ以上の突っ込みや確認は特にしてこない。いやまあ、雨で閉塞感のある中で追及されるのはかなりキツイし、御免被りたいけど。
その後は暇なあまり、普段の癖で特になんの意味もなく手元を動かして眺めて過ごす。これといった面白みもないが、何も考えずにぼうっと見つめている分にはちょっと楽しい。そんなことを一人で黙々とやっていると、途中から右肩へだんだんと重さがかかってくる感触がし始めた。もしかして寝ちゃってるのかな、と隣を見れば、案の定夢の世界へ入りかけているルカの姿があった。
「ルカ、布団空いてるよ」
「…大丈夫です、から…」
まるでまだ眠くないと言わんばかりに、私の言葉に嫌々と頭を振って拒否してくる。でも、と言いかければ、今度は意地でも動かないというように頭を寄せながら右腕に抱きついてきた。が、様子からして既に半分眠った状態に見える。
「…私も少し眠いし、どうせならもう一緒に寝る?」
そう尋ねれば、ややむすっとしていた表情が和らぎ、小さめながらこくりと頷いてくれる。余程一人で眠るのが嫌だったのか、なんてことも思ったが、普段は一人で眠っている日もあるし、単に気分の問題だろう…と考えるのは止めることにした。
布団へ入るなり、ルカは相当眠かったのかスッと眠ってしまう。私もしばらくうつらうつらとするうちに、いつしか眠りの淵へ落ちていた。
…その後は二人一緒に、ずっと布団で寝て過ごした。