元々ゲーム的なのを作りたく構想している為、数は多いです。
双子猫の悲劇
おなまえ
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走った。とにかくひたすらに走った。
時には隙間をかいくぐって、塀を伝い走って。
…突然現れた、人間の追っ手から逃げる為に。
「モカ、あそこに逃げよう。暫くなら身を隠せるだろうから」
「分かった!」
そう言うと、兄ちゃんは僕の先を先導するように走り出す。
そんな兄ちゃんを追いかけるようにして、僕もひたすらに走る。
少し離れた場所からは、僕らを見失ったからかイライラした話し声を上げる人間の声が聞こえる。
その様子にちょっとだけ安心すると、今ではすっかり草に絡まれてしまった門の隙間をかいくぐり、人気の無い建物の中へと駆け込んだ。
「…こんなに走っちゃうと、流石に疲れるね~」
「…」
「兄ちゃん?」
建物の中でも薄暗いところを探して移動すると、ようやく体の力を抜いて伸びをすることができた。
安心したこともあり、軽い気持ちで兄ちゃんに話しかけたものの、兄ちゃんは何故か黙っていて。
どうしたのかと名前を呼べば、ハッとした様子で僕の方へ向き直ってきた。
「さっき、足をそこそこ痛めたみたいで。走ってる時は無我夢中で気付かなかったけど、今安心したら一気に痛みが出てきたものだから、様子を見てたんだ」
「そうなの!?大丈夫?」
「うーん、暫く休ませれば動く分なら支障の無いくらいまでにはなると思うけど…」
「そっか!じゃあ兄ちゃんは暫く休んでて。ご飯とかなら僕が探してくるから!」
時には隙間をかいくぐって、塀を伝い走って。
…突然現れた、人間の追っ手から逃げる為に。
「モカ、あそこに逃げよう。暫くなら身を隠せるだろうから」
「分かった!」
そう言うと、兄ちゃんは僕の先を先導するように走り出す。
そんな兄ちゃんを追いかけるようにして、僕もひたすらに走る。
少し離れた場所からは、僕らを見失ったからかイライラした話し声を上げる人間の声が聞こえる。
その様子にちょっとだけ安心すると、今ではすっかり草に絡まれてしまった門の隙間をかいくぐり、人気の無い建物の中へと駆け込んだ。
「…こんなに走っちゃうと、流石に疲れるね~」
「…」
「兄ちゃん?」
建物の中でも薄暗いところを探して移動すると、ようやく体の力を抜いて伸びをすることができた。
安心したこともあり、軽い気持ちで兄ちゃんに話しかけたものの、兄ちゃんは何故か黙っていて。
どうしたのかと名前を呼べば、ハッとした様子で僕の方へ向き直ってきた。
「さっき、足をそこそこ痛めたみたいで。走ってる時は無我夢中で気付かなかったけど、今安心したら一気に痛みが出てきたものだから、様子を見てたんだ」
「そうなの!?大丈夫?」
「うーん、暫く休ませれば動く分なら支障の無いくらいまでにはなると思うけど…」
「そっか!じゃあ兄ちゃんは暫く休んでて。ご飯とかなら僕が探してくるから!」
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