紆曲あったけど、結局は。
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「…タクミ、話がある」
そう、兄さんから呼び出されたのは今日の昼のこと。
今は夜、近くにある林の中で兄さんと二人話している。というか、事実確認みたいにしか聞こえないんだけど。
「最近、カムイに冷たくなったというのは、本当なのか」
「…ああ、そうだよ。それがどうかしたの?」
「あいつが、お前に何かしてしまったのではと気に病んでいたぞ」
ああ、またか。
兄さんも姉さんも、口を開けばみんなカムイカムイ、って…。
もう正直、うんざりだ。
僕よりも、あいつの方が大切なんだろ?ねえ。
「だからって…」
「タクミ、これはお前の問題だから不用意に口出しする気は無い。が、カムイを誤解させるような真似は、絶対するんじゃないぞ」
「みんなみんな、口を開けばカムイばっかりだ。
どうしてそんなにあいつのことが大切なの!?あいつは…僕らとの血の繋がりが全くないんだぞ?」
ついつい爆発させてしまった感情のままに、一方的に言い詰めてしまう。しまった。
がさっ。
音がすると思い、振り返るとなんと姉さんがいた。
…聞かれていたのか。
姉さんは心底信じられない、というような顔をして、
「それは…本当なの…?兄さんたち」
と、弱々しく尋ねてきた。
「…」
「本当、なのね…。じゃあ、あたしは一体…」
「カムイ、違うんだ。これは、その…」
「弁解の言葉なら聞きたくないわ。
…なんかその、ごめんなさい」
それだけ言って、姉さんはその場から逃げるようにして走り去っていった。
なぜだか、その後ろ姿が寂しそうだったのははっきりと覚えている。
「…兄さん、ごめん。心配してくれているのに」
「別に俺は気にしていない。ただ…あの様子じゃあ、カムイの方が少し心配だが」
兄さんはその事実を既に知っていたらしい。特に動揺することもなかった。
「…確かに血の繋がりが全くないのは、覆せない事実だ。
だからといって、兄弟、として過ごせないわけじゃない。いや、今までだってずっと兄弟だと思ってきた。
しかし、この事実をどう捉え、どうしていくかはお前にしか決められない。兄として出来るのはこれくらいだ」
これをどう捉えるか、か。
頑張って考えてみる。それだけ、兄さんに返事をして、部屋へ戻った。
そう、兄さんから呼び出されたのは今日の昼のこと。
今は夜、近くにある林の中で兄さんと二人話している。というか、事実確認みたいにしか聞こえないんだけど。
「最近、カムイに冷たくなったというのは、本当なのか」
「…ああ、そうだよ。それがどうかしたの?」
「あいつが、お前に何かしてしまったのではと気に病んでいたぞ」
ああ、またか。
兄さんも姉さんも、口を開けばみんなカムイカムイ、って…。
もう正直、うんざりだ。
僕よりも、あいつの方が大切なんだろ?ねえ。
「だからって…」
「タクミ、これはお前の問題だから不用意に口出しする気は無い。が、カムイを誤解させるような真似は、絶対するんじゃないぞ」
「みんなみんな、口を開けばカムイばっかりだ。
どうしてそんなにあいつのことが大切なの!?あいつは…僕らとの血の繋がりが全くないんだぞ?」
ついつい爆発させてしまった感情のままに、一方的に言い詰めてしまう。しまった。
がさっ。
音がすると思い、振り返るとなんと姉さんがいた。
…聞かれていたのか。
姉さんは心底信じられない、というような顔をして、
「それは…本当なの…?兄さんたち」
と、弱々しく尋ねてきた。
「…」
「本当、なのね…。じゃあ、あたしは一体…」
「カムイ、違うんだ。これは、その…」
「弁解の言葉なら聞きたくないわ。
…なんかその、ごめんなさい」
それだけ言って、姉さんはその場から逃げるようにして走り去っていった。
なぜだか、その後ろ姿が寂しそうだったのははっきりと覚えている。
「…兄さん、ごめん。心配してくれているのに」
「別に俺は気にしていない。ただ…あの様子じゃあ、カムイの方が少し心配だが」
兄さんはその事実を既に知っていたらしい。特に動揺することもなかった。
「…確かに血の繋がりが全くないのは、覆せない事実だ。
だからといって、兄弟、として過ごせないわけじゃない。いや、今までだってずっと兄弟だと思ってきた。
しかし、この事実をどう捉え、どうしていくかはお前にしか決められない。兄として出来るのはこれくらいだ」
これをどう捉えるか、か。
頑張って考えてみる。それだけ、兄さんに返事をして、部屋へ戻った。