「なんだったんだろうな、あれ…」

自室に戻って考える。

何故かはわからない。ふと、机へ無造作に置かれている、畳んだ一枚の紙を手にとった。

その紙を広げて眺める。

今見返してみると、どちらにしても上手いとは言いがたい気はするが。
これは姉さんとの思い出の品で、小さい頃に姉さんが描いた一枚の絵。

白夜兄弟たちと、今は亡き父上と母上が、桜の木の下で笑っている、というもの。

ふとそこで、母上…ミコト女王から手紙をもらっていたことを思い出した。

「…でもまた、なんで急に手紙なんか…」

これはいまだにわかっていない。
ちょうどいい機会だったので、その手紙も読んでみる。

しかし、そこに記されていたのは信じがたい事実で、思わず動揺してしまった。

「嘘だろ…姉さんが、そんな訳…」

じゃあ、今まで僕は…？