「カムイ様、お茶が入りました」
「あらジョーカー、ありがとう。いただくわね」
「もう少しでお菓子もこちらへ来ると思われますので、しばしお待ちください」
「ええ、ありがとう。なんだか悪いわね」
「いえ、執事として当然のことです」

そんな会話を繰り広げながら、ジョーカーの入れてくれた紅茶を飲む。
そして、あのことについて考える。

事の発端は、あたしがタクミと仲良くなりたくて、弓の教えを請うたこと。
しかし、なんだかんだで今尚続いており、すっかりあたしの日常の一部と化している。

とはいえ、タクミと話せる唯一の時間ではあるし、私自身楽しみではあるのだけど。

今日は弓の練習が早々に切り上げられたけど、あとで練習しようかな。
そんなことを考えていると、いつの間にか紅茶を飲み終えていた。

「カムイ様ぁ、お菓子が…うわあぁ！？」
「フェリシア！？大丈夫？」
「はわわあーっ、お菓子があ…。
すみません、私がドジなせいで…」
「フェリシア…お前なあ…」
「気にしないで。それよりフェリシア、怪我はない？」

側からすれば主従関係が逆転しているこの風景も、あたしにとっては日常茶飯事だ。

のんびり考えるより、今はフェリシアの方をどうにかしなければ。