紆曲あったけど、結局は。
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まず、姉さんは弓を持ったことがなかったみたいなので、どう扱うかとか、初歩的なとこから教え始めて。
なんだかんだで数週間、何本か放てばそのうち一、二本は的をかするか、なんとか当たるようにはなった。
「やっぱりタクミはすごいわね…」
「何を今更。弓を扱うのがそんな容易いわけないだろ」
あからさまに冷たい態度をとる。
…僕が姉さんをどことなく毛嫌いするのと、ここまで来た理由は実は同じだ。
姉さんがいなくなってから、周りはめまぐるしいほどに変化した。
兄さんは今まで以上に稽古へ精を出し、姉さんは母上の反対を押し切ってでも天馬武者になり、今でこそ忘れているだろうが、サクラは姉さんの面影を見つけては、メソメソ泣いて。
…未だあの頃よく呼んでくれた本を大事そうに取って置いてあった気がする。
僕はというと…姉さんがいなくなって寂しいというのは、もちろんあった。
でも、それよりも。
…皆いなくなった姉さんの事ばかりで、構ってもらえなくなって、それが不満でしかなかった。
さらにはいつしか、姉さんに対して嫉妬すらしていた。
強くなれば、みんなからも見てもらえる、すごいって褒められるって思って、弓の鍛錬に明け暮れていた。
「二人揃って、弓の練習か」
「リョウマ兄さん。兄さんは、今から剣の稽古でも?」
「まあ、そんなところだ」
偶然にも、兄さんが通りかかる。
また姉さんばかりが…。
どんよりとした気持ちを押し込み、
「ほら、さっさと始めて終わらせる。休憩なら充分したろ」
と、二人の話を強引に切り上げる。
兄さんは心配そうな表情をしたが、別に心配されるようなことはしていない。
というか、みんなが姉さんに甘すぎるだけだろ。
その日の稽古は昼前に切り上げた。
僕のメンタルがいろいろと持ちそうになかったからだ。
なんだかんだで数週間、何本か放てばそのうち一、二本は的をかするか、なんとか当たるようにはなった。
「やっぱりタクミはすごいわね…」
「何を今更。弓を扱うのがそんな容易いわけないだろ」
あからさまに冷たい態度をとる。
…僕が姉さんをどことなく毛嫌いするのと、ここまで来た理由は実は同じだ。
姉さんがいなくなってから、周りはめまぐるしいほどに変化した。
兄さんは今まで以上に稽古へ精を出し、姉さんは母上の反対を押し切ってでも天馬武者になり、今でこそ忘れているだろうが、サクラは姉さんの面影を見つけては、メソメソ泣いて。
…未だあの頃よく呼んでくれた本を大事そうに取って置いてあった気がする。
僕はというと…姉さんがいなくなって寂しいというのは、もちろんあった。
でも、それよりも。
…皆いなくなった姉さんの事ばかりで、構ってもらえなくなって、それが不満でしかなかった。
さらにはいつしか、姉さんに対して嫉妬すらしていた。
強くなれば、みんなからも見てもらえる、すごいって褒められるって思って、弓の鍛錬に明け暮れていた。
「二人揃って、弓の練習か」
「リョウマ兄さん。兄さんは、今から剣の稽古でも?」
「まあ、そんなところだ」
偶然にも、兄さんが通りかかる。
また姉さんばかりが…。
どんよりとした気持ちを押し込み、
「ほら、さっさと始めて終わらせる。休憩なら充分したろ」
と、二人の話を強引に切り上げる。
兄さんは心配そうな表情をしたが、別に心配されるようなことはしていない。
というか、みんなが姉さんに甘すぎるだけだろ。
その日の稽古は昼前に切り上げた。
僕のメンタルがいろいろと持ちそうになかったからだ。