紆曲あったけど、結局は。
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姉さんの目から大粒の涙が流れ落ちる。
堪え切れなくなった分が一気に溢れてきたのか、顔を覆いなきじゃくる。
今まで見せてこなかった、姉さんの弱さを、ここで初めて知った。
ずっと抱え込んでいたものが山ほどあったのか、泣き止む気配はまだ無さそうだ。
「…ねえ、なんで今まで何も言ってくれなかったの」
「そんなこと言えば、タクミにのしかかってくるんじゃ、って思ったから…」
「そんなことないってのに。はあ、全く呆れるよ。
…辛かったろ」
未だ泣く姉さんの背中をさすってやる。
姉で、嫉妬の対象でもあって、決して弱みを見せたことのない姉さん。
けど今は、なんだか弱くて、ちっぽけな存在のように思えてしまう。
いつしか落ち着いてきていたのか、泣きじゃくる声も聞こえなくなってきた。
「…これじゃあどっちが上か、分からないわね」
「たまにはいいでしょ」
目元に残る涙を拭いてやる。
…やはり、あながち間違いではなかったようではあった。
あの話を聞いていたりして、頼み綱に近かったものが全て否定され、兄弟との間にはどうしても埋まらない溝が…それも深い溝があって。
自分とは何か、とか良く分からなくなってしまったらしい。
「タクミがここまで優しいなんて、なんだか珍しい、わね」
「悪かったね、いつも捻くれていて」
わざと、ムッとした表情を見せる。
姉さんは案の定機嫌が悪くなったと思ったのだろう、ごめんごめん、と笑いながら謝ってくる。
時期に僕もばかばかしく感じてきて、姉さんにつられて笑った。
うん、いつもの姉さんだ。
大好きな姉さんの表情。
「ねえ、姉さん」
「何?タクミ」
「また抱え込んだりしたら許さないからね。いい?」
「なんだか弟から釘を刺されるなんて思いもしなかったわ。わかった、できる限りそうする」
大好きな弟のためだもの。
そういった姉さんの表情は、すごく明るかった。
…期待したりしても、良いのかな。
そう思う自分がいる。
「姉さん」
「今度は…って、急に抱きついてきたりしてどうしたの?」
「あのさ、僕。
…あなたのことが好きになったみたい、なんだ」
照れくさくて、顔を直視できない。
けど、あなたの顔は一体、どういう表情を、見せてくれているのだろう。
「た、タクミ…」
「別に僕らに血の繋がりはない。兄弟、という意味ではどうかわからないけれど。でも、どうであれ姉さんのことを好きになったということは変わらない。まぎれもない事実だ」
「あたしは…」
「姉さんはどうなの。ねえ?」
穏やかに、でも急かすようにして返事を待つ。
返事が返ってこなくて怖くなる。
…もし、断られたら明日からどう接すればいいだろうか。
そう考えていると、急に抱きしめてくる力が強くなる。
頭の中に疑問符しか浮かばない。
「姉さん…?」
「ねえ、一つ聞いてもいい?
それは、あたしのことを姉として好きになった、っていう方…?」
「はあ、伝わってなかったのか…」
姉さんからいったん離れ、顔を改めて正面からじっと見る。
どっちともとれる告白に、困惑したような表情の姉さん。
そっと顔を近づけ、口づけをする。
ほんの一瞬のこととはいえ、姉さんは驚いたようだった。
「…こっ、これでわかったろ!で、どうなの?」
「…あたしも、タクミのことが兄弟として見るのに限界を感じてたの。
だから…すっごく嬉しい。
もちろん、あたしもタクミと一緒にいたい。弓の練習だけじゃなくて、普段からずっと…」
「じゃあ…」
「ええ、お願いします…タクミ」
「!僕がずっと支えるからね、姉さん。…いや、カムイ」
今度はさっきよりも長く、口づけを交わす二人。
僕は今、すごく幸せだ。
堪え切れなくなった分が一気に溢れてきたのか、顔を覆いなきじゃくる。
今まで見せてこなかった、姉さんの弱さを、ここで初めて知った。
ずっと抱え込んでいたものが山ほどあったのか、泣き止む気配はまだ無さそうだ。
「…ねえ、なんで今まで何も言ってくれなかったの」
「そんなこと言えば、タクミにのしかかってくるんじゃ、って思ったから…」
「そんなことないってのに。はあ、全く呆れるよ。
…辛かったろ」
未だ泣く姉さんの背中をさすってやる。
姉で、嫉妬の対象でもあって、決して弱みを見せたことのない姉さん。
けど今は、なんだか弱くて、ちっぽけな存在のように思えてしまう。
いつしか落ち着いてきていたのか、泣きじゃくる声も聞こえなくなってきた。
「…これじゃあどっちが上か、分からないわね」
「たまにはいいでしょ」
目元に残る涙を拭いてやる。
…やはり、あながち間違いではなかったようではあった。
あの話を聞いていたりして、頼み綱に近かったものが全て否定され、兄弟との間にはどうしても埋まらない溝が…それも深い溝があって。
自分とは何か、とか良く分からなくなってしまったらしい。
「タクミがここまで優しいなんて、なんだか珍しい、わね」
「悪かったね、いつも捻くれていて」
わざと、ムッとした表情を見せる。
姉さんは案の定機嫌が悪くなったと思ったのだろう、ごめんごめん、と笑いながら謝ってくる。
時期に僕もばかばかしく感じてきて、姉さんにつられて笑った。
うん、いつもの姉さんだ。
大好きな姉さんの表情。
「ねえ、姉さん」
「何?タクミ」
「また抱え込んだりしたら許さないからね。いい?」
「なんだか弟から釘を刺されるなんて思いもしなかったわ。わかった、できる限りそうする」
大好きな弟のためだもの。
そういった姉さんの表情は、すごく明るかった。
…期待したりしても、良いのかな。
そう思う自分がいる。
「姉さん」
「今度は…って、急に抱きついてきたりしてどうしたの?」
「あのさ、僕。
…あなたのことが好きになったみたい、なんだ」
照れくさくて、顔を直視できない。
けど、あなたの顔は一体、どういう表情を、見せてくれているのだろう。
「た、タクミ…」
「別に僕らに血の繋がりはない。兄弟、という意味ではどうかわからないけれど。でも、どうであれ姉さんのことを好きになったということは変わらない。まぎれもない事実だ」
「あたしは…」
「姉さんはどうなの。ねえ?」
穏やかに、でも急かすようにして返事を待つ。
返事が返ってこなくて怖くなる。
…もし、断られたら明日からどう接すればいいだろうか。
そう考えていると、急に抱きしめてくる力が強くなる。
頭の中に疑問符しか浮かばない。
「姉さん…?」
「ねえ、一つ聞いてもいい?
それは、あたしのことを姉として好きになった、っていう方…?」
「はあ、伝わってなかったのか…」
姉さんからいったん離れ、顔を改めて正面からじっと見る。
どっちともとれる告白に、困惑したような表情の姉さん。
そっと顔を近づけ、口づけをする。
ほんの一瞬のこととはいえ、姉さんは驚いたようだった。
「…こっ、これでわかったろ!で、どうなの?」
「…あたしも、タクミのことが兄弟として見るのに限界を感じてたの。
だから…すっごく嬉しい。
もちろん、あたしもタクミと一緒にいたい。弓の練習だけじゃなくて、普段からずっと…」
「じゃあ…」
「ええ、お願いします…タクミ」
「!僕がずっと支えるからね、姉さん。…いや、カムイ」
今度はさっきよりも長く、口づけを交わす二人。
僕は今、すごく幸せだ。