紆曲あったけど、結局は。
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「姉さん?何してるの?」
「うん、ちょっとね…」
結局お茶を飲んでからも、こうしてくつろいでいる。
お茶は思ったより美味しかった。
紅茶も悪くないもんだな。
で、飲み終えるや否や、姉さんはまたなんか急に、黙々と何かを描き始めた。
何を描いているかはさっぱり。本人が見せてくれないし。
…気になる。そう思った僕は、横から覗き込もうとする。
「あ、まだ描きあげてないからダメ!ちゃんとかけたら見せるから待って!」
「ええ、じゃあ後どれくらいかかるのさ?」
「ほんと、後ちょっとだから…」
…できた!
そう言って険しかった表情を和らげた姉さんから、紙をひったくる。
そこには、桜の木の下で笑う、兄弟四人の姿があった。
もしかして、あの絵を見たからだろうか。
「姉さん、これって…」
「あ、うん。さっき、タクミから絵を見せてもらった時、不思議と懐かしく思ったの。
それで少し描いてみた、ってだけ」
もしかしたら思い出せるかも、っても思ったんだけどね。
自嘲気味に姉さんが言う。
あの頃より明らかに腕を上げたその絵だが、やはり足りないと感じる。
けど、それは案外すぐになんなのかはわかった。
「カムイ姉さんとアクア姉さんは?」
「ううん、これは白夜兄弟だけで描いたから…」
「…ううん、違う。貸して」
再び鉛筆をひったくるようにして取り、姉には劣るがそれでも頑張って、二人を絵の中に描き込んだ。
確かに血の繋がりは無いけど、兄弟でない理由にはならないんだ。
そんな意を込めて。
「うまいじゃない、タクミ」
「姉さんほどじゃないけどね」
そんなことないわよ、と姉さんが頭を髪がくしゃくしゃになるんじゃないかというくらい撫でてくる。
たまには悪くない、よね。
「あら?タクミが素直だなんて珍しい。明日雪でも降るのかしら…?」
「な、なんだよ。そんな素直にするのがいけなかった?」
「ううん、ごめんなさい。ただ、本当に珍しいなって思って」
相変わらず姉さんはニコニコ顔だ。
…そういえば、悲しい顔はともかく、泣いた顔とかは見たことがない気がする。あの一件ですら、泣いていなかったような。
どこかで押し殺しているのだろうか。それとも、やはり見ないだけで泣いていたりするのだろうか。
紙の中の兄弟たちは、皆ニコニコと笑っていた。
「うん、ちょっとね…」
結局お茶を飲んでからも、こうしてくつろいでいる。
お茶は思ったより美味しかった。
紅茶も悪くないもんだな。
で、飲み終えるや否や、姉さんはまたなんか急に、黙々と何かを描き始めた。
何を描いているかはさっぱり。本人が見せてくれないし。
…気になる。そう思った僕は、横から覗き込もうとする。
「あ、まだ描きあげてないからダメ!ちゃんとかけたら見せるから待って!」
「ええ、じゃあ後どれくらいかかるのさ?」
「ほんと、後ちょっとだから…」
…できた!
そう言って険しかった表情を和らげた姉さんから、紙をひったくる。
そこには、桜の木の下で笑う、兄弟四人の姿があった。
もしかして、あの絵を見たからだろうか。
「姉さん、これって…」
「あ、うん。さっき、タクミから絵を見せてもらった時、不思議と懐かしく思ったの。
それで少し描いてみた、ってだけ」
もしかしたら思い出せるかも、っても思ったんだけどね。
自嘲気味に姉さんが言う。
あの頃より明らかに腕を上げたその絵だが、やはり足りないと感じる。
けど、それは案外すぐになんなのかはわかった。
「カムイ姉さんとアクア姉さんは?」
「ううん、これは白夜兄弟だけで描いたから…」
「…ううん、違う。貸して」
再び鉛筆をひったくるようにして取り、姉には劣るがそれでも頑張って、二人を絵の中に描き込んだ。
確かに血の繋がりは無いけど、兄弟でない理由にはならないんだ。
そんな意を込めて。
「うまいじゃない、タクミ」
「姉さんほどじゃないけどね」
そんなことないわよ、と姉さんが頭を髪がくしゃくしゃになるんじゃないかというくらい撫でてくる。
たまには悪くない、よね。
「あら?タクミが素直だなんて珍しい。明日雪でも降るのかしら…?」
「な、なんだよ。そんな素直にするのがいけなかった?」
「ううん、ごめんなさい。ただ、本当に珍しいなって思って」
相変わらず姉さんはニコニコ顔だ。
…そういえば、悲しい顔はともかく、泣いた顔とかは見たことがない気がする。あの一件ですら、泣いていなかったような。
どこかで押し殺しているのだろうか。それとも、やはり見ないだけで泣いていたりするのだろうか。
紙の中の兄弟たちは、皆ニコニコと笑っていた。