紆曲あったけど、結局は。
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「ねえさん。それにサクラも…
なにしてるの?」
ー僕の中に残る、一番古いあなたとの記憶は。
「あ、タクミ。いま、ちょっとおえかきしてたの」
「にいしゃま!」
「どんなの?みせてみせて?」
あなたが部屋で紙に絵を描いていて。
サクラがその隣で興味深そうに、絵を覗き込んでいるところ。
「なに?これ」
「おはにゃ!にいしゃま、おはにゃ!」
「はな?さくらのこと?」
「うん、まださむくてみれないから、こうすればみられるかなっておもったの」
その絵は、真ん中に桜の木が描かれていた。
そこを境にして右には、ヒノカ姉さんと父上、それから兄さん。左にはサクラを抱きかかえる母上とその隣で笑う僕が描かれていて。
なぜか、カムイ姉さんはいなかった。
「ねえさんがいないじゃん。かかないの?」
「あたしはいいよ。ばしょも、ほとんどあいてないし…」
「かして。ぼくがかく」
無理やりとも取れるようなやり方でクレヨンを取り、お世辞にもうまくない絵を付け足すようにして描く。
僕の横がそれなりに空いていたから、ねじ込む形にはなるけれど、なんとか描き込んだ。
「わあ、タクミすごい!」
「さくらをみたとして、きょうだいぜんいんいなきゃ、いやだもん」
「わあー!ねえしゃま、いる!」
…こんなことがあった数日後、暗夜王国に父上が殺され、姉さんが連れ去られていったのだった。
幼い僕は、ショックだったのを覚えている。
なにしてるの?」
ー僕の中に残る、一番古いあなたとの記憶は。
「あ、タクミ。いま、ちょっとおえかきしてたの」
「にいしゃま!」
「どんなの?みせてみせて?」
あなたが部屋で紙に絵を描いていて。
サクラがその隣で興味深そうに、絵を覗き込んでいるところ。
「なに?これ」
「おはにゃ!にいしゃま、おはにゃ!」
「はな?さくらのこと?」
「うん、まださむくてみれないから、こうすればみられるかなっておもったの」
その絵は、真ん中に桜の木が描かれていた。
そこを境にして右には、ヒノカ姉さんと父上、それから兄さん。左にはサクラを抱きかかえる母上とその隣で笑う僕が描かれていて。
なぜか、カムイ姉さんはいなかった。
「ねえさんがいないじゃん。かかないの?」
「あたしはいいよ。ばしょも、ほとんどあいてないし…」
「かして。ぼくがかく」
無理やりとも取れるようなやり方でクレヨンを取り、お世辞にもうまくない絵を付け足すようにして描く。
僕の横がそれなりに空いていたから、ねじ込む形にはなるけれど、なんとか描き込んだ。
「わあ、タクミすごい!」
「さくらをみたとして、きょうだいぜんいんいなきゃ、いやだもん」
「わあー!ねえしゃま、いる!」
…こんなことがあった数日後、暗夜王国に父上が殺され、姉さんが連れ去られていったのだった。
幼い僕は、ショックだったのを覚えている。
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