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忘 れ な い で …

少し様子見しながら、足早に廊下を歩く。
今エアに見つかれば、ある意味一巻の終わりになってしまうからだ。

「…にシテモ、中々の人数が既にこうナッテ…」
「今、どのくらい残っているのか…正直、僕らも把握できていないんだ」
「二人についていけば、ある程度の皆にはあえるんだよね?」
「ウン。何人かはソコにイルヨ」

とりあえず、今はレフィールの言葉を信じて動くしかない。
一番状況を把握できるのは、他ならないレフィールだけだからである。
…逆に、レフィール自身は裏切ろうと思えば裏切れるのだが…。

そんな中、正面から数人の足音が聞こえてくる。

「…フライ、ソレにデデデ…とキミはダレ?」
「おっ、こいつはメタナイトだ!さっき偶然会ってな」
「レフィール、大丈夫だった?」
「とりあえず、フレアとはなの二人が襲われテいたカラ助けた位カナ」

そう手短に話しながら、レフィールが後ろの少女二人を見やる。

フレアにせよ、花にせよ、とりあえず見慣れた顔があるからかどこか安心した様子に見えた。

「…とにかく、これで僕たちはみんな揃ったね。あとはエアをどうにか止めれば…」
「そのことなんですが…」
「どうしたの?」

キョトンとした表情で、フライがフレアを見やる。
…フレアが何かを主張してくること自体、かなり珍しいのだ。

そんなわけでキョトンとしていると、更に後ろからロイが話しだした。

「レフィールとフレアから聞いたよ。僕にもできる限りのことは協力させてほしい」
「でも、君たちは巻き込んじゃっただけだし…」
「聞く限り、遅かれ早かれいつかはこうなっていたよ。それに、僕らにも原因の一端はある。だから、僕も協力させてほしいんだ」
「…俺も同じだ。手助けくらいさせてくれ」

不意に、フライの近くからそんな一言が聞こえてくる。
皆の視線がまとめて向いた先には、何かを決意するかのような表情でデデデが頷いていて。

「私も、そなた達へ助太刀しよう」
「でっ、でも!僕らは別に動かなくなろうと構わないけれど、君たちは…!」
「友達のピンチ、放っておけるわけないだろ?」
「…トモダチ…」

まだまだ対面して少し。だけど、そう思ってもらえていたなんて。

そんな感動もつかの間、ふと嫌な感じがその場にいた全員の感覚をかけていく。
不思議がるデデデや花たちをよそに、フライたちは強い嫌な予感を覚えた。

…かつて、マスターハンドを倒したときに感じていたものと酷似していたからだ。
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