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忘 れ な い で …

「…なるほど。今回の発端はそういうことだったのか」

あまりにすごい驚き様にかえってびっくりしたロイたちが、レフィールたちへ話を聞き出し始めて数分。
どうやらロイにはやや思い当たる何かがあるようで、神妙な赴きをして話を聞いていた。

「もしかシタラ、ボクやサイガが皆ト仲良くナッタカラ…エアが暴走シタンじゃナイカって…」
「そんなことないですよ!」
「…ウン。分かってルヨ、あくまでボクらはトリガーにナッタダケ、ダッテ」
「…でも確かに辛いよね。誰からも認知されず、戻ることも簡単には許されないのはやっぱり…」

苦笑いしながら、ロイがそうこぼす。

…ロイにも過去、出られない時期があった。
かれこれ7年程が空いただろうか。その間は何もできないまま、毎日をただ過ごす他なかった。

そんな中でも良かったと言えるのは、ロイにはまだ戻る場所があった、ということだろうか。
レフィールやフレアといった面々は帰る場所もなければ、生みの親から10年以上もの間蔑ろにされ続けているのだから。
エアが恨むのだって、多少は仕方あるまい。

「…ずっと君たちだけの問題だ、っていうような話ぶりだけど…正直、これは僕らも絡んでいる気がするよ」
「で、でも…すでに多大な迷惑を…」
「そんな今更。いいんだよ、気にしないで。そうだなあ、僕にできることがあれば惜しみなく協力するよ。遠慮なく言って」

変わらぬ笑顔をして、ロイがそう話す。
そんなロイに少しだとしてもホッとしたのか、フレアたちもいくらか顔を明るくした。
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