忘 れ な い で …
忙しなく響く、パタパタというような足音。
さらに、それに追随するような形で地面を踏みしめる靴音が聞こえてくる。
「カービィ、あんまりそうやって走り回ったら危ないよ!!」
「だいじょーぶだよ!それよりおいしそうなニオイがするなあ」
「…食べ物にほんっと目がないね…」
匂いにつられるがまま、とにかく走り回るピンク色の体。
それを追いかけつつ、やや呆れを含んでいるかのような笑顔をしている、青黄ボーダー服の少年。
それぞれカービィ、ネスだ。
二人はここが始まった頃からずっと一緒にいるせいか、かなりの仲良し具合である。
「あ、あれだ!」
「あれって?」
「ほら、ケーキやさん!」
不意にカービィが立ち止まったことで、ようやくネスが追いついた…。
と思いきや、ケーキ屋さんということも相まってか、更に勢いよくカービィが走り出してしまう。
ネスが名前を呼ぼうとも聞く耳を持たないので、また仕方なく追いかけようと走り出したときだった。
「ケーキ、ケーキ〜っわあ!?」
「わ、チョッ!?」
何もない場所でカービィが何かにぶつかった。
おまけに勢いもそこそこ良かったのか、カービィの目が回っている。
咄嗟にかけより、ネスがカービィを介抱し始める。
「大丈夫?」
「う〜ん…だいじょーぶ…」
「…イテテ…ビックリしたヨ…」
「…?」
聞いたことのない、片言交じりな声。
二人がそちらを見れば、茶色の猫のような生き物が道端に倒れていた。
「…少しトハ言え、気絶させチャッテゴメンネ」
茶色い、虎柄の猫がそう申し訳なさげに謝る。
そんな生き物を横目に、カービィはケーキを満面の笑顔で頬張るくらいにケロリとしている様子だったが。
「もうへーき!それより、ショートケーキおいしいよ!」
「…これなら本当に大丈夫そうだね」
「ナラヨカッタ…。ボク身構えるト、つい癖で全身を固くしチャウンダヨネ…」
そうどこかバツが悪そうに話す猫を見つめながら、ネスがショコラケーキを一口含む。
…こんな姿の生き物など、見たことあっただろうか。
もしかして、自分の知らない世界の生き物なのだろうか。
そんなことを頭の片隅で考えていると、もう既に食べ終わったらしいカービィがネスのケーキを物欲しそうに見つめているのが見えて。
仕方ないなあ、と言ったと思うと、ネスはあっさりとケーキをカービィへ手渡した。
「わーい!いっただきま~す!」
「そういえば、君名前なんて言うの?」
「ボク?レフィール、ダヨ。そういえば確かにマダ名乗ってナカッタネ」
「僕はネス、こっちはカービィっていうんだ。よろしくね、レフィール」
ネスからの問いをきっかけに、お互い名前だけの簡素な自己紹介をし合う。
「よろしくね!レフィール」
「ウン、ヨロシク。で、キミはソレヨリもケーキを完食シナヨ」
その後はネスとレフィールが話す傍らで、カービィがケーキを完食し終えた。
…話すと言っても、ネスがレフィールから話を聞いていた、というのが大半ではあるのだが。
「じゃあ、レフィールはこのあたりに住んでるんだね」
「マアネ。デモ…多分、モウ会わナイと思うケド」
「えー!?そんなのさみしいよー…」
「エー、ッテ言われテモ…ボク、動く時ハ姿を消しチャウシ…」
そう半ば困りながら、駄々をこねだしたカービィへレフィールが話す。
が、そんな様子などお構いなしなカービィは、またあそぼーよ、とまで言い出す始末で。
レフィールも苦笑いをしたと思うと、会えタラネ、とゆっくり目に答えた。
…答えたはずなのだが。
「そーだ!いまからスマブラ館にあそびにおいでよ!」
「エェ!?今カラ…?」
「うん!みんなにも、レフィールをしょうかいしたいんだ!」
「いいね!僕も賛成!」
なんと、今からスマブラ館へ一緒に行くという話が持ち上がってしまったのである。
おまけにこの話にはネスも乗り気なようで、レフィールだけが完全に置いてけぼりを食らっている状態になってしまった。
「確かニ会えタラネ、トハ言ったケドモ!」
「だって、つぎいつあえるかわかんないんだもん」
「みんなに知ってほしいし、逆にみんなのことも知ってほしいからさ。ね、だから一緒に行こうよ!」
「ナラ、ボクのトモダチにも話をシテモイイ…?勝手に行くノモ悪いダロウし…」
引くに引けない。そう悟ったのか、レフィールが困ったように耳をへたらせて二人へ話す。
余程凄い、ここのファンなのだろうか。
そう思ったネスもカービィも特には引き止めず、勿論、と笑顔で頷いた。
それから友達へ話しに行ったレフィールが戻るまでの間、約束通りその場で待ち、新しく増えたレフィールの友達も一緒になりながらスマブラ館まで歩いていったのだった。
これがファイターたちはおろか、スマブラの世界そのものの存続に関わる出来事へ繋がる事など、つゆ知らずに。
さらに、それに追随するような形で地面を踏みしめる靴音が聞こえてくる。
「カービィ、あんまりそうやって走り回ったら危ないよ!!」
「だいじょーぶだよ!それよりおいしそうなニオイがするなあ」
「…食べ物にほんっと目がないね…」
匂いにつられるがまま、とにかく走り回るピンク色の体。
それを追いかけつつ、やや呆れを含んでいるかのような笑顔をしている、青黄ボーダー服の少年。
それぞれカービィ、ネスだ。
二人はここが始まった頃からずっと一緒にいるせいか、かなりの仲良し具合である。
「あ、あれだ!」
「あれって?」
「ほら、ケーキやさん!」
不意にカービィが立ち止まったことで、ようやくネスが追いついた…。
と思いきや、ケーキ屋さんということも相まってか、更に勢いよくカービィが走り出してしまう。
ネスが名前を呼ぼうとも聞く耳を持たないので、また仕方なく追いかけようと走り出したときだった。
「ケーキ、ケーキ〜っわあ!?」
「わ、チョッ!?」
何もない場所でカービィが何かにぶつかった。
おまけに勢いもそこそこ良かったのか、カービィの目が回っている。
咄嗟にかけより、ネスがカービィを介抱し始める。
「大丈夫?」
「う〜ん…だいじょーぶ…」
「…イテテ…ビックリしたヨ…」
「…?」
聞いたことのない、片言交じりな声。
二人がそちらを見れば、茶色の猫のような生き物が道端に倒れていた。
「…少しトハ言え、気絶させチャッテゴメンネ」
茶色い、虎柄の猫がそう申し訳なさげに謝る。
そんな生き物を横目に、カービィはケーキを満面の笑顔で頬張るくらいにケロリとしている様子だったが。
「もうへーき!それより、ショートケーキおいしいよ!」
「…これなら本当に大丈夫そうだね」
「ナラヨカッタ…。ボク身構えるト、つい癖で全身を固くしチャウンダヨネ…」
そうどこかバツが悪そうに話す猫を見つめながら、ネスがショコラケーキを一口含む。
…こんな姿の生き物など、見たことあっただろうか。
もしかして、自分の知らない世界の生き物なのだろうか。
そんなことを頭の片隅で考えていると、もう既に食べ終わったらしいカービィがネスのケーキを物欲しそうに見つめているのが見えて。
仕方ないなあ、と言ったと思うと、ネスはあっさりとケーキをカービィへ手渡した。
「わーい!いっただきま~す!」
「そういえば、君名前なんて言うの?」
「ボク?レフィール、ダヨ。そういえば確かにマダ名乗ってナカッタネ」
「僕はネス、こっちはカービィっていうんだ。よろしくね、レフィール」
ネスからの問いをきっかけに、お互い名前だけの簡素な自己紹介をし合う。
「よろしくね!レフィール」
「ウン、ヨロシク。で、キミはソレヨリもケーキを完食シナヨ」
その後はネスとレフィールが話す傍らで、カービィがケーキを完食し終えた。
…話すと言っても、ネスがレフィールから話を聞いていた、というのが大半ではあるのだが。
「じゃあ、レフィールはこのあたりに住んでるんだね」
「マアネ。デモ…多分、モウ会わナイと思うケド」
「えー!?そんなのさみしいよー…」
「エー、ッテ言われテモ…ボク、動く時ハ姿を消しチャウシ…」
そう半ば困りながら、駄々をこねだしたカービィへレフィールが話す。
が、そんな様子などお構いなしなカービィは、またあそぼーよ、とまで言い出す始末で。
レフィールも苦笑いをしたと思うと、会えタラネ、とゆっくり目に答えた。
…答えたはずなのだが。
「そーだ!いまからスマブラ館にあそびにおいでよ!」
「エェ!?今カラ…?」
「うん!みんなにも、レフィールをしょうかいしたいんだ!」
「いいね!僕も賛成!」
なんと、今からスマブラ館へ一緒に行くという話が持ち上がってしまったのである。
おまけにこの話にはネスも乗り気なようで、レフィールだけが完全に置いてけぼりを食らっている状態になってしまった。
「確かニ会えタラネ、トハ言ったケドモ!」
「だって、つぎいつあえるかわかんないんだもん」
「みんなに知ってほしいし、逆にみんなのことも知ってほしいからさ。ね、だから一緒に行こうよ!」
「ナラ、ボクのトモダチにも話をシテモイイ…?勝手に行くノモ悪いダロウし…」
引くに引けない。そう悟ったのか、レフィールが困ったように耳をへたらせて二人へ話す。
余程凄い、ここのファンなのだろうか。
そう思ったネスもカービィも特には引き止めず、勿論、と笑顔で頷いた。
それから友達へ話しに行ったレフィールが戻るまでの間、約束通りその場で待ち、新しく増えたレフィールの友達も一緒になりながらスマブラ館まで歩いていったのだった。
これがファイターたちはおろか、スマブラの世界そのものの存続に関わる出来事へ繋がる事など、つゆ知らずに。