あの子はお話好き
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「…おいで」
たまたま外を歩いていた時、そう呼びかける声が聞こえた。
僕はそんな声につられ、そちらへと歩いていく。
着いてみれば、カミュが茶色のボサボサの毛をした猫を抱き上げて、撫でている様子だった。
「…どうかなさいましたか?」
「!」
「わざわざしきかんどのから出向いてこられるなんて、余程秘密性の高い用事ではと思ったのですが」
こちらには見向きもせず、そう淡々とカミュが尋ねてきた。
僕は違う、と首をふると、じっとカミュと猫の様子を眺めた。
…今日は少し暇な時間がいつもより多い。
そんなこともあって、今は外を少し出歩いていたのだ。
「猫、好き?」
「猫に限らず、動植物は大体好きですね」
「じゃあ、その頭のやつも…」
「…施される前に、たまたま猫を見かけて。
少し戯れていたら、上官から猫が好きだと思われたようでして」
嫌ではないですが、結構悪目立ちするのがちょっと…
そう、本当に小さな声で、カミュが呟く。
「…なんか、こう…被れるものが欲しいですね…出来れば目深く被れるようなのが…」
「へえ」
「…すみません、しきかんどのを前にこの態度は傲慢ですよね。以後気をつけます」
そう言って、カミュは静かに猫を抱きしめる。
僕は、なんだか寂しそうだな、なんて、珍しく思ったのだった。
たまたま外を歩いていた時、そう呼びかける声が聞こえた。
僕はそんな声につられ、そちらへと歩いていく。
着いてみれば、カミュが茶色のボサボサの毛をした猫を抱き上げて、撫でている様子だった。
「…どうかなさいましたか?」
「!」
「わざわざしきかんどのから出向いてこられるなんて、余程秘密性の高い用事ではと思ったのですが」
こちらには見向きもせず、そう淡々とカミュが尋ねてきた。
僕は違う、と首をふると、じっとカミュと猫の様子を眺めた。
…今日は少し暇な時間がいつもより多い。
そんなこともあって、今は外を少し出歩いていたのだ。
「猫、好き?」
「猫に限らず、動植物は大体好きですね」
「じゃあ、その頭のやつも…」
「…施される前に、たまたま猫を見かけて。
少し戯れていたら、上官から猫が好きだと思われたようでして」
嫌ではないですが、結構悪目立ちするのがちょっと…
そう、本当に小さな声で、カミュが呟く。
「…なんか、こう…被れるものが欲しいですね…出来れば目深く被れるようなのが…」
「へえ」
「…すみません、しきかんどのを前にこの態度は傲慢ですよね。以後気をつけます」
そう言って、カミュは静かに猫を抱きしめる。
僕は、なんだか寂しそうだな、なんて、珍しく思ったのだった。