その子、眠る
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その後、お昼ごはんの時にもう一度その女の子と会った。
食堂の端の方でぽつん、と立っている様子だったから、声をかけた。
「食べないの」
「…」
…そもそも気づいていないらしい。
女の子は窓からじっと外を眺めている。
軽く肩をぽんぽん、と叩いてみれば、びっくりした様子で振り返ってきた。
「食べないの?」
「?」
…やっぱり、通じてない。
僕はきょろきょろ見渡すと、偶然にも近くにあったメモと鉛筆を取り、さっきから尋ねていることを書く。
それから、その紙を女の子へ見せた。
「!」
首を横に振ってくる。
どうやら、こうすれば通じるらしい。
“行かないの”
「…」
そう尋ねると、女の子は困ったような視線をこちらへ向けてくる。
“一緒に行く?”
「…!」
ぱあっ、と顔を輝かせながら、女の子が頷く。
そのまま僕は女の子の手を取ると、券売機の前まで一緒に歩いた。
…券を無事買い、先ほど渡されたものを一緒に食べながら、気になったことを尋ねてみる。
“聞こえる?”
首を横に振ってくる。
やっぱり、そもそもずっと聞こえていなかったらしい。
それから、もう一つ聞きたいことを書き足した。
“話せる?”
こくりと、小さく頷いてくる。
話せるなら、話せばいいのに…と思っていると、向こうからブタマスク大佐がやってきた。
「カミュ…はなんだ、食べてたのか。世話をかけてすみません、しきかんどの」
「…ねえ」
そう声をかければ、はい、なんでありますか、とブタマスク大佐が尋ねてきた。
「聞こえてない」
「えっ?」
「だから、聞こえてない」
そう、横でご飯を食べている女の子を指差す。
しばらくえっ?と困惑した様子をしていたと思うと、あっそういうことですか!と納得したらしい。
「しかし、話があまりにも通じないと思ったら…そもそもの問題があったのですか…」
「…」
かたりと、器を置く音がする。
見れば、もう食べ終えた様子の女の子が僕やブタマスク大佐を交互に見てきていた。
「…?」
「カミュ…音をきちんと聞けるようにしなければいけないな…」
ほら、いくぞ。
そうブタマスク大佐が手を差し出す。
女の子はその手を取ると、ブタマスク大佐について行ってしまった。
食堂の端の方でぽつん、と立っている様子だったから、声をかけた。
「食べないの」
「…」
…そもそも気づいていないらしい。
女の子は窓からじっと外を眺めている。
軽く肩をぽんぽん、と叩いてみれば、びっくりした様子で振り返ってきた。
「食べないの?」
「?」
…やっぱり、通じてない。
僕はきょろきょろ見渡すと、偶然にも近くにあったメモと鉛筆を取り、さっきから尋ねていることを書く。
それから、その紙を女の子へ見せた。
「!」
首を横に振ってくる。
どうやら、こうすれば通じるらしい。
“行かないの”
「…」
そう尋ねると、女の子は困ったような視線をこちらへ向けてくる。
“一緒に行く?”
「…!」
ぱあっ、と顔を輝かせながら、女の子が頷く。
そのまま僕は女の子の手を取ると、券売機の前まで一緒に歩いた。
…券を無事買い、先ほど渡されたものを一緒に食べながら、気になったことを尋ねてみる。
“聞こえる?”
首を横に振ってくる。
やっぱり、そもそもずっと聞こえていなかったらしい。
それから、もう一つ聞きたいことを書き足した。
“話せる?”
こくりと、小さく頷いてくる。
話せるなら、話せばいいのに…と思っていると、向こうからブタマスク大佐がやってきた。
「カミュ…はなんだ、食べてたのか。世話をかけてすみません、しきかんどの」
「…ねえ」
そう声をかければ、はい、なんでありますか、とブタマスク大佐が尋ねてきた。
「聞こえてない」
「えっ?」
「だから、聞こえてない」
そう、横でご飯を食べている女の子を指差す。
しばらくえっ?と困惑した様子をしていたと思うと、あっそういうことですか!と納得したらしい。
「しかし、話があまりにも通じないと思ったら…そもそもの問題があったのですか…」
「…」
かたりと、器を置く音がする。
見れば、もう食べ終えた様子の女の子が僕やブタマスク大佐を交互に見てきていた。
「…?」
「カミュ…音をきちんと聞けるようにしなければいけないな…」
ほら、いくぞ。
そうブタマスク大佐が手を差し出す。
女の子はその手を取ると、ブタマスク大佐について行ってしまった。