ぱたりと、目の前で女の子が倒れる。

そんな様子を見て、ブタマスク大佐が頭を悩ませだした。

「うーむ…戦えるはずなのだが…まあいい、起こしてやれ」

言われるまま、女の子の体を起こす。
僕の体は無傷なのに対して、女の子はかなり傷だらけだった。

「大丈夫？」
「…」

そう尋ねると、女の子は不思議そうな顔をして首を傾げてくる。

「体の、ケガ」
「…？」

具体的に言ってみたつもりだが、まだ分かってもらえないらしい。
傷を指差してみれば、あっ、という反応が返ってきた後、こくんと頷いてきた。

「…ひとまず、戦い以外は普通に動作するようだし…また後で手直しでもするか…
カミュ、戻ってこい」

そうブタマスク大佐が呼ぶ声が聞こえる。

けれど、女の子は僕をじっと見たまま動かない。
まるで全く聞こえていないみたいに見える。

しまいには、痺れを切らしたらしいブタマスク大佐にまた摘まれて、強制的に連れて行かれてしまったようだった。