「…調子の程はいかがでありますか、しきかんどの」
「…ん、大丈夫」

そう返事をしながら、伸びをしたり軽く動いたりする。

それから色々と話すブタマスクの話をさらりと聞き流しながら、じっと時が過ぎるのを待つ。

そんな中、向こうからこちらへ向かう足音が聞こえてきた。

「…こちらにしきかんどのはいらっしゃるか」
「あ、丁度メンテナンスが終わったところであります」
「大佐から、カミュの相手をするよう申し立てがあった。いけそうか？」

…要するに、新しいキマイラのテストだろうか。

しし、しかし…今メンテナンスを終えたばかり…とうろたえるブタマスクを差し置いて、僕はこくん、とうなずいた。

「ほんと、軽ーく戦ってもらったら結構ですので！
ご無理だけはなさらないよう、お願いしますね」
「…分かった」


その場所に着けば、なんと先程会ったばかりの女の子が、他のキマイラから攻撃を受けているところだった。

その女の子は状況が掴めていないのか、攻撃を受けるばかりでおろおろしている。

「…」
「！」

ひとまず群がるキマイラたちをイカヅチで一掃し、目の前に立つ。

安堵したような表情を浮かべたように見えた後、そんな様子の女の子へ一直線に飛び込んだ。