「なっ、何でここにカミュさんが！？」

半ば混乱しながらそう訊ねると、関係ないでしょう、と一蹴されてしまう。

刃を掲げながら戦いに望むところは、前に会った時と打って変わってなんだか凜々しくも見えてくる。

「やってしまいなさい…てっきゅうメカゴリラ」
「グワオォッ」

まあ、そんな事よりもてっきゅうメカゴリラの暴れっぷりがすごくって、それどころじゃなかったけれども。

ただ…カミュさんは戦いより手助けに秀でているのか、それで苦戦を強いられていた部分はあると思う。

「…やった、てっきゅうメカゴリラの回線がショートしたみたい！」
「なっ、嘘…！」
「グッ、グワアァッ！」
「ただ、これはこれでヤバそうな気がするけどな…」

そんな事を話していると、後に引けないと感じたのかカミュさんの様子が少しだけ変わる。
と思えば、なんとPKフリーズβが飛んできた。

予想していなかったPSI攻撃に、思わずひるんでしまう。

「なっ！？」
「こうなったら…致し方ありませんね…」
「こいつもこんな力持って…ん？」

不意に、クマトラの動きが止まる。
と思うと、すぐに切り替えてPKファイヤーαを打ち出した。

しばらく戦っていると、てっきゅうメカゴリラもカミュさんも、どちらも大人しくなる。

「…これは仕方ありませんね…あなたは頑張ったと思いますよ」
「グ…ウゥ…」
「フィーネ…？」

戦い終えて、もう壊れきってしまった様子のメカゴリラを労っているカミュさんの元へ、そう言葉をこぼしながらクマトラが近寄っていく。

身の危険的なものを感じたのか、ハッとしたように一瞬クマトラの方を向いた後、こちらを睨み付けるような表情をして剣先を向けてきた。

「…何のようですか。これ以上近寄るというのなら…切り捨てさせて貰います」
「やっぱり、お前フィーネだろ！？」
「えっ！？」
「オレだよ、クマトラ！覚えて…」
「…そのような方は存じ上げておりません」

そうあっさりと言われてしまったからか、クマトラが少し顔を曇らせてしまう。

かと思えば、カミュさんは指笛を鳴らして大きな鳥を呼び寄せた。
そのままその鳥に乗って、飛んでいってしまう。

「カミュさん…」
「一体…あいつに何があったんだ…？
それよりも、あの時のかめんのおとこ…針を抜いているのはあいつなのか？！」
「ワン！(リディア、大丈夫かな)」
「そうだ、リディアさん…」

ボニーがそう言ってくれた事もあり、僕らはリディアさんの様子を確認しに戻っていく事になったのだった。