凍てつく氷に焼き尽くす炎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…久しぶりのお客さんね。
寒かったでしょう?家に入って、温まっていきなさい」
雪山になんとか出てきて、しばらく歩いているとうさぎと戯れる人がいた。
僕たちにびっくりしたのか、うさぎは逃げていってしまったけれど、そんなことなどお構いなしといった様子でその人…マジプシーの人が、お家へと通してくれた。
「ブ…ブピー…。ムニャムニャ、フゴーッッッ」
「あっ…」
「彼は、おうちの外で行き倒れてたの。
この雪山に偵察に来て、お友達とはぐれちゃったみたいね」
ブタマスク!と思って身構えたのを感づいたのか、マジプシーの人からそう教えて貰う。
分け隔てなく優しくできるって、すごいなあ。
いくら倒れているからって、僕は敵だと一旦考えちゃうかな。
「あなたがリュカね。
私が雪山のマジプシー。リディアよ」
「リディアさん、それで…」
「そこまで焦らずとも、あなたたちのお探しのものはこの家の裏にあるわ。
まさか、あの針が抜かれる時がくるなんてねえ…」
そう言ってどこか感慨深そうに言ったと思うと、今度は少し困ったような顔をして、リディアさんが話し始めた。
「ただ、気がかりな事があるの。
私がいなくなると、ウサギたちの面倒を見る人がいないの。
それにまだ、元気を回復していない彼の事も…」
「リディア…」
「…いや、「そのとき」にすることは全て上手くいくはずだから、困ったり迷ったりしている事がもう間違いなのよ。
だめね、私。マジプシー失格かも知れないわね」
「そんなこと、」
ないと言おうとした途端、穏やかな様子でリュカ、と呼ばれて遮られてしまう。
はい、と返事をすると、にっこりと微笑みを返された。
「あなたは針を抜きなさいね。「そのとき」なのだから」
「…はい」
そんなやりとりから待たずして、何やら騒がしい音が聞こえ始めた。
なんだか聞き覚えのあるようなリズムと音だなあ。
リディアさんも、『そのとき』だから聞こえるのかしら、って言っているし…
とか、気持ち的にゆっくりしていた矢先の事だった。
「!?」
「何だ、この地響きは!?」
「外で何が起こっているの!?何が!?」
咄嗟に外に出て行くと、見覚えのない人たちが何やらやっていて…って!
「針が抜かれた!?」
「そんな、リュカ以外にも抜ける奴が…!?」
「…」
そんな針を抜いた本人が、何食わぬ顔をしながら無言でこちらを振り向く。
と思えば、近くにいたもう一人の人…ってあれ?見覚えがある…
「…お願い」
「承知しました」
そんな短いやりとりをかわしているところを見た後、僕たちはでっかい鉄球をつけたゴリラとカミュさんと戦う事になったのだった。
寒かったでしょう?家に入って、温まっていきなさい」
雪山になんとか出てきて、しばらく歩いているとうさぎと戯れる人がいた。
僕たちにびっくりしたのか、うさぎは逃げていってしまったけれど、そんなことなどお構いなしといった様子でその人…マジプシーの人が、お家へと通してくれた。
「ブ…ブピー…。ムニャムニャ、フゴーッッッ」
「あっ…」
「彼は、おうちの外で行き倒れてたの。
この雪山に偵察に来て、お友達とはぐれちゃったみたいね」
ブタマスク!と思って身構えたのを感づいたのか、マジプシーの人からそう教えて貰う。
分け隔てなく優しくできるって、すごいなあ。
いくら倒れているからって、僕は敵だと一旦考えちゃうかな。
「あなたがリュカね。
私が雪山のマジプシー。リディアよ」
「リディアさん、それで…」
「そこまで焦らずとも、あなたたちのお探しのものはこの家の裏にあるわ。
まさか、あの針が抜かれる時がくるなんてねえ…」
そう言ってどこか感慨深そうに言ったと思うと、今度は少し困ったような顔をして、リディアさんが話し始めた。
「ただ、気がかりな事があるの。
私がいなくなると、ウサギたちの面倒を見る人がいないの。
それにまだ、元気を回復していない彼の事も…」
「リディア…」
「…いや、「そのとき」にすることは全て上手くいくはずだから、困ったり迷ったりしている事がもう間違いなのよ。
だめね、私。マジプシー失格かも知れないわね」
「そんなこと、」
ないと言おうとした途端、穏やかな様子でリュカ、と呼ばれて遮られてしまう。
はい、と返事をすると、にっこりと微笑みを返された。
「あなたは針を抜きなさいね。「そのとき」なのだから」
「…はい」
そんなやりとりから待たずして、何やら騒がしい音が聞こえ始めた。
なんだか聞き覚えのあるようなリズムと音だなあ。
リディアさんも、『そのとき』だから聞こえるのかしら、って言っているし…
とか、気持ち的にゆっくりしていた矢先の事だった。
「!?」
「何だ、この地響きは!?」
「外で何が起こっているの!?何が!?」
咄嗟に外に出て行くと、見覚えのない人たちが何やらやっていて…って!
「針が抜かれた!?」
「そんな、リュカ以外にも抜ける奴が…!?」
「…」
そんな針を抜いた本人が、何食わぬ顔をしながら無言でこちらを振り向く。
と思えば、近くにいたもう一人の人…ってあれ?見覚えがある…
「…お願い」
「承知しました」
そんな短いやりとりをかわしているところを見た後、僕たちはでっかい鉄球をつけたゴリラとカミュさんと戦う事になったのだった。