「ふうん。そんなやつに追われてたのか」

次の目的地目指し、歩いている最中。

僕はたまたま、キマイラ研究所であったことをクマトラに話していた。

「でね、逃げる途中で不思議な人とぶつかったんだ。しかも、助けてもらっちゃった」
「不思議な人？」
「うん。多分…女の人かな？クマトラくらいの身長でね、ぼやーっとした感じの人だった」

そんな話の途中、そう言えば俺の知り合いにも似たやつがいたなあ、とクマトラが懐かしむように呟いた。

「知り合いに？」
「ああ。とはいっても、何度か会って一緒に遊んだことがあるくらいだけどな。
そう言えばあいつ、今何してんだろ…」
「知らないの…？」
「ああ。あいつは決まった場所にいる、というよりは転々とすることが多かったからな。ま、リディアやロクリアのとこなんかは、よく行ってたみたいだけど…
最後に会ったのって、たしか…だいたい三、四年前だったっけな…」

なんか、悪いことにでも巻き込まれてなきゃいいが…

そう心配げにするクマトラへ大丈夫だよきっと、と励まし、僕らは次の針へ向けて再び歩き出した。