色々ありつつも、そんなこんなで土曜日を迎えた。

「わあ…！」
「その様子からするに、気に入ったようだな」
「はい！とっても…！」

膝近くまであるブラウスを、腰辺りでベルトを使い、止める。

下はスカート…のようなズボン、だそう。

靴は膝辺りまであるブーツ。
靴下はニーハイソックス…というらしいが、とにかく長めのものだ。

「さて、次は被るものでも探しに行くか」
「はい！」

服は会計を済ませてしまうと、元の服から着替え、その服装で店を回ることにした。

…のだが、どう頑張って探そうとも見つからない。

まあ、逆にカミュの頭と噛み合ったものがある方が奇跡なのかもしれないが。

「…私の為に貴重なお時間を潰してしまい、申し訳ありません」
「いや、謝る必要はない。俺も結構、なんだかんだ楽しんではいるからな」
「そう、ですか」

そう呟いたと思うと、カミュは安心したように表情をふっ、と緩めたのだった。

そんなことのあった日からしばらくした、とある昼下がり。

「わ、すごい…！」
「気に入ったか？」
「はい！」

オレンジ色のおっきなフード付きタオルに近いものを被りながら、カミュが嬉しそうに体を動かす。

…本当にこれだけ見ると、キマイラであることを忘れてしまいそうになる。

「私のために色々と手を尽くしていただいてありがとうございます、上官」
「いや、別にこれしき構わない」

また一層頑張ってくれるのなら、それに越したことはないからな。

そう言うとカミュは真剣な目つきになり、はい、と頷いてきた。

「また明日から、業務に一層励むように努力します！」
「…ま、ほどほどでな」
「承知いたしました」