「…カミュ、最近のお前はよくやっているな」

そう褒めてやれば、お褒めいただき光栄です、と律儀にお辞儀を返される。

かれこれ、この企業に勤めだして十数年。
元々機械に詳しい方で、初めの頃はキマイラ製作に駆り出されるのがほとんどだった。

「キマけんからも、いつも本当に助かっていると聞いている。良いことだ」

そんな立場すがら、勿論カミュが最初に手を加えられたときも知っている。

が、こういうしばらく凍結された後に再び日の目を浴びる、というのは今までを見てもなかなかレアケースだ。

「そういえば…服がないんだったな。うむ…次の休みは…」
「…服くらいなら、一人で買いに行けますが…」
「いや、俺も行く。手持ち金、ないだろう？」

…こうだから前、しきかんどのから親バカだと言われたんだろうか。

まあ、今は親バカでも何でもいい。

実際初めの頃から知っているし、親心が少なからず存在していることも自分自身分かっている。

とにかく、次の土曜が空きらしいので、そのタイミングで買いに行くことになった。