夕日に照らされた静かな部屋に私と杏子ちゃんのシルエットがはっきりと浮かび上がる

｢沖田さんのこと…どう思ってるんですか？｣

『…』

沖田隊長の…こと…？

- 大石、 -

頭に思い浮かぶのは私の名前を呼び優しく微笑む沖田隊長の姿

そして…。

- しっかり働けよ雌豚ァ、俺の分まで。 -


イラッ。

『…尊敬する憎たらしい上司』

｢え、それ褒めてるんですか、それとも貶してるんですか？｣

ビシッと言い退けた私に杏子ちゃんは苦笑いした

『でも……沖田隊長は私の辛い時にいつも傍にいてくれて…優しい人だなとは思う。…たまに意地悪もされるけど私にとっては無くてはならない大切な人なんだ…』

そう言って微笑む私に杏子ちゃんは眉間に皺を寄せる

『あっ、でも今のは沖田隊長には内緒に…』

｢それって…沖田さんのことが好きだってことですか？｣

『え…』

杏子ちゃんの言葉に一瞬その場に固まった

『す、…好き…って？』

｢だって無くてはならない人ってことは、ずっと傍にいて欲しいってことですよね。…それって私には沖田さんのこと好きだって言ってるように思えます…｣

『あ、違っ！そ、そう言う意味じゃなくて私はただ…そういう沖田隊長にいつも救われているから、いつか私が同じように彼を護ることが出来たらいいなと思ってるだけで…』

そう…沖田隊長は願ってないことかもしれないけど、

『だからッ私は…沖田隊長に恋愛感情は…ない…から』

｢…｣

これは私自身が決めたことだから…やめることは出来ない。

俯く私に杏子ちゃんはそっと微笑み言った

｢わかりました。要するに結衣さんは沖田さんのことが大切なんですね…｣

『う…うん！』

勢いよく頷く私に杏子ちゃんは背中を向け呟いた

｢じゃあ…もし、私が沖田さんのこと好きだって言ったらどうします？｣

『えっ…』

杏子ちゃんが…沖田隊長を好き？

｢応援…してくれますか？｣

『…』