｢う"っ…ｸﾞｽﾞｯ結衣ちゃん…｣

『…えっ…』

｢大石ちゃんんんーっ！！｣

屯所の門を潜ると、そこには隊士のみんながズラリと並んでいて私と沖田隊長を見るなり涙を流して駆け寄ってきた

『み、みんな…どうしてっ』

｢どうしてじゃねーよ！急に黙っていなくなるなんて酷ェじゃねーかよ！｣

｢全くだ！心配したんだぜ…なんか沖田隊長までいなくなってたしよォ…｣

『す、すみません。私…みんなに迷惑かけたくなくて』

｢え、迷惑…？ていうか結衣ちゃん達今まで一体どこにいたの？｣

そう言う山崎さんに私と沖田隊長は目を丸くして顔を見合わせた

｢オメーら…土方さんに聞いてねェのか？｣

沖田隊長の言葉に山崎さんは頭にハテナを浮かべる

『あの…実はですね、…』

その後、私は事情の全てを隊士のみんなに話した

｢結衣ちゃんが…財閥の娘！？｣

｢…にはとても見えねェな。寧ろ品の欠片も無さげな…｣

言いながら私の顔をまじまじと見つめる原田隊長に何となく腹が立った私は彼の顔面を殴った

｢い"ッ何すんだ大石ッ！｣

『いえ、久しぶりに原田隊長の顔見たら何か殴りたくなっちゃって』

｢オイやっぱこいつ絶対財閥の娘なんかじゃねーわ！百歩譲ってヤクザの娘だよ｣

原田隊長の言葉にみんなして笑う

そんな彼らにつられて私も笑った


やっぱり…私はここが好きだ。

ようやく帰って来られたんだな…。

｢よーし！それじゃ今日は大石ちゃんと沖田隊長の帰還を祝って宴会だぁああ！！｣

あたたかい家族。

｢それオメーらがただ単に酒飲みてェだけだろィ｣

大切な人。

｢何ださっきから騒がしい…って…結衣？｣

｢ん？おお！結衣ちゃん、総悟！｣

支えてくれる人。

『局長！副長！』

今の私には十分過ぎる程だけど…きっともう手放す事は出来ない。

｢戻ってきたのか…｣

『はい…』

土方さんは私の迷いのない目を見つめ微笑んだ