いつの日か君に
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今日はとても良い日だ。私の人生の新たな門出に相応しいと言っていい。
自分の店を出すことは、子どもの頃からの夢だった。夢を追いかけ始めてから叶えるまで、長いようで短かった。
欲を言えばハイラル城下町に出店したかったけれど、それはまた今後の夢にしておこう。
私は遠い果ての村で、農家を営む両親の間に生まれた。
昔から、農業をすることは特に苦ではなかったから、あのまま地元で生活していたら、きっと今頃は親の畑を手伝っていたのではないか。
私の夢が決まったのは、確か5歳の頃だったように思う。ある人との出会いがきっかけだった。親以外で初めて尊敬する人ができ、その人ともう一度会うため私は店を出すことを決めた。
村を出て新たに店を出すと伝えた時に、両親にはひどく反対された。それもそうだ。うちの家系はずっと農家をやって来たらしいし、まともな理由があるならばまだしも、たかだか人と会うためだけに店を出したいだなんて、そんなの反対されるに決まってる。
それでも、長い長い説得の末、両親も応援するとまで言ってくれるようになった。何の店を出すのかと聞かれて、弓矢の専門店だと答えた時の親の何とも言えない顔は忘れられないけど。
そうして家を出たのが15年前。私が10歳の頃だ。
今思えば、さすがに家を出るには早すぎたとも思う。それでも、中央ハイラルで武器工房の弟子として受け入れてもらえたのはラッキーだった。最初の頃は師匠にも全然受け入れて貰えなかったけど。城下町に住む親戚の家から毎日通って説得し続けた私の努力の賜物だ。
『……』
店を開いた初日から大盛況になるとは思っちゃいない。私もそこまで馬鹿じゃない。
でも、せめて1人くらいは来てくれても良かったんじゃないか。
いや……来てはくれたか…。
心配してわざわざ地元からかけつけた母に、お世話になってる叔母夫妻、そしてここで新しくできた友達や師匠はね。何も売れずに終わったけれど。
ちゃんとこの日のために広報活動はやってきたはずなんだけど…おかしいな…。
結局、悲しいことに初日は何も売れることなく終わってしまった。
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