どうしようもなく
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「ったく…また来たのかおめーは…」
『ほら、時々は来ないと私のことを忘れちゃうでしょ?』
次の年の同じ季節、またアイリス達はハイラルへとやって来た。そして聞いてもいないのに、毎日俺の元へとやって来ては今まで旅して来た他の国のことを教えてくれた。
そして2週間が経ち、また彼女は旅立つ。
そんな、毎年毎年2週間だけ共に過ごすような関係が続いたある時、彼女は告げた。
『私、今度結婚するんだぁ…』
「……は?」
『えへへ、旅の途中で会った人なんだけどね、とっても素敵な人なんだよ』
幸せそうにアイリスは顔を綻ばせた。
俺が彼女への気持ちに気付いたその次の年のことだった。
人間を好きになるだなんて、おかしな話だろ。我ながらいかれてると思うよ。
でも、仕方ないだろ。人間の勇者と同じように作られた俺だから…どうしようもないほど鬱陶しいが感情だってあるんだ。
『それで…その…結婚式にあなたも来てくれない?』
こいつはまた…。
せっかく抱いたこの感情を伝えることも叶わない。
それなのに、想い人が俺以外の奴の横で幸せそうにする姿を見ろと?冗談だろ?
だからと言って、好きな女を罵倒する訳にもいかない。
「俺はいい。騒がしいところは苦手なんだ」
『…そっか。それじゃあ。
また、ね』
「……じゃあな。
幸せになれよ」
好きだった。
叶わぬ恋であることは分かっていたよ。
それでも、どうしようもなく好きだったんだ。
どうしようもなく