どうしようもなく
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『君、大丈夫?』
ある日の昼下がり、雲一つない良い天気だからと小島で昼寝をしていた時のことだ。顔に影がさすと同時に突然頭上から声が降ってきた。
『顔色悪いけどー?おーい』
失礼だな本当のことだが。
無視を決め込んでいると、ついには顔をぺちぺちと叩かれ始めて流石に我慢の限界がきた。
「うるっせえ!なんだお前は!!」
『お、生き返った!』
「そもそも死んでねえ!!!」
がばっと起き上がり振り返ると、人懐こそうな笑顔を浮かべた女がしゃがみこんでいた。
『あははっ!もー、びっくりしたよ!』
「こっちのセリフだ。
なんだよおめーは…」
見た目が人の形をしているとは言え、皮膚の色がどう見ても人間のそれではないというのに、よくもまあそんな怪しげな存在に近寄ってきたものだ。
こいつの名はアイリスと言うらしい。
家族と行商をしており、畔の研究所がこの度お得意様になったとかでここに寄ったのだと言う。研究所のじじいに俺の存在は教えられていたらしいが、無害な奴だと言われたためちょっかいをかけにきたらしい。
あのじじい余計なことを。俺の平穏な日々を返しやがれ。
アイリスはそれからしばらく、雨の日も風の日も欠かさず毎日ご丁寧に弁当を持って湖畔へとやって来た。俺は食わなくても別に平気だと伝えれば、そんなんだからそんなに顔が青白いんだと無理矢理食わされたこともあったな。
そしてそんな騒々しい日が2週間続いたのち、アイリス一行は次の国を目指してまた旅に出た。
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