死んだその先
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「おはようシーナ」
『おはよう、今日もいい天気だね』
「今日も山羊追い行ってくるな」
『いってらっしゃい、リンク』
村の方へ走るリンクの背を見送る。しばらくして馬笛の音が風に乗ってやって来た。
どうやら始まったらしい。
結果から言えば、世界はまた平和に戻った。
拐われて他の村で暮らしていた子ども達も帰って来ることが出来、長い間旅をしていたリンクも無事に帰って来たということで、村の人達もとても喜んでいた。
しかし、世界が平和になるということは、もう勇者は必要ないということだ。光の勇者の影となる姿――狼にはもう二度となれない。それが意味することはつまり、私を見ることも話をすることも出来なくなるということであり、実際何をしても彼に私の意思は伝わらなかった。
そしてもう一つ。
私のもう一人の恩人であるミドナが影の世界へと帰ってしまったということだ。冒険の目的を達成したためそれはごく当然のことなんだけれど、やはりそれはとても寂しいことだった。
けれども、今はもう一人ではない。二度と会えないらしいけど、それでもミドナは私のことを知っていてくれるし、それに、
「シーナ!ただいま!」
『おかえりリンク。お疲れ様』
「今日はさぁ、ファドの奴が……」
こうやって毎日、事あるごとに私のお墓まで話をしに来てくれる、リンクという大切な友達がいるのだから。
今は会話は出来ないけれど、いつかまた、今度は仲介なしで直接話が出来たらいいな。
天寿を全うしたあなたと、もう一度会えるその日を信じて。
死んだその先