私は新しい朝を望んだ
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風船が舞い上がり、紙吹雪が揺れ落ちる。
人々の歓声の中、私は1人壁の花となっていた。
街まで迫っていた不気味な月は、いつの間にやら元の位置に戻っている。
真っ白な衣装に身を包んだ花嫁と、その隣で幸せそうに微笑む新郎。祭りを楽しむ男たちに、結婚式を涙ぐみながら祝う女たち。ああ、久しぶりに新しい光景を見た気がする。
これが私の望んだ新しい朝なのか、それともただ私が既視感を感じなくなっただけなのか、わからないけれど。
ただ、望んでいたことが叶ったのだから、嬉しくなったり、わくわくしても良いのではないかと思う。
何故、私の気持ちは浮かばないのか。
自分のことなのに、理由はわからない。
でも、1つだけ言えることがある。
待ち望んだはずの新しい朝に、あの少年の姿はなかった。
私は新しい朝を望んだ