小さな恋人
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こてん。
可愛らしくリンク君が寄りかかってくる。
あらあら、甘えたがりなのね。
気にせず読書を続けていると、構ってとでも言うように私と本の間に顔を割り込ませてきた。
サラサラと揺れる金色の髪も不満げに細められた青い瞳も、いつもならば素直に綺麗と思えるけれど、読書を邪魔されている今だととてつもなく邪魔である。
『読めないわ』
「##NAME1##は僕のこと好き?」
『ええ、好きよ』
「こんなに得体も知れないのに?」
得体も知れないだなんて、たしかにその通りだけれど自分で言ってしまうのね。
苦笑いをこぼせば、彼は私を捕らえて胸に顔をうずめた。不躾だけれど、子どもみたいな彼が相手だと何故か受け止めてしまうのよね。
続きを読むのは不可能だと判断し、読みかけの本に大人しく栞を挟んで横に置いた。
しばらくそのままにしておいたけれども全然離れそうにない。今日は一体どうしたのかしら。まるで捨てられた子犬ね。
『私の知る今のあなたが嘘じゃないのなら、たとえあなたがどんな人間であっても私は好きだと思うわよ?』
抱きつかれたまま彼の頭を撫でそう告げれば、私を抱く力はさらに強まった。
彼の過去なんて聞いたことはないけれど、別に知りたいとは思わない。だってそうでしょう?今のあなたが隣にいてくれるだけでこんなにも幸せなのに、彼の過去までをも望むだなんてそんなの、あまりにも欲張りだもの。
「………」
『………』
ここまで反応がないと流石の私も困ってしまう。
彼が隣に来る前からずっと同じ姿勢で本を読んでいたため、そろそろお尻も痛くなってきたからいい加減動きたい。
『リンク君』
呼びかければそろりと顔を上げたので、すかさずその晒されたおでこにキスを一つ落とした。
突然のことに驚いたんでしょうね、目をぱちくりさせちゃって可愛いわ。状況を理解したのか顔も一気に赤くなって、湯気の出そうな勢いね。
きっと、私があまり自分から愛情表現をする方じゃないから不安になっちゃったのかもね。
彼には言わなきゃ伝わらないということも学んだし、これからは積極的に愛情表現していこうかしら。
『好き。愛してるわよ』
だから不安にならないで。
小さな恋人