来世ライフ
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赤い鎧のおっさんがクリームパンを買いに来て一週間。つまりリンクが旅立ってから三週間が経過したことになる。
昨日一昨日ぐらいから空は赤く染まり、何やら不穏な空気が続いてはいるものの、依然として平和に暮らせている。
あえてもう一度言おう。
統治雑過ぎだろ。
『…お?』
何やら外が騒がしい。火事か?
野次馬根性丸出しで外に出てみれば、路上に人だかりが出来ているのを発見。なんだ、火事じゃないのか。
しかし気にはなるので、人だかりの中心へと身をよじって入っていく。と、中心には青いマフラーを巻いた緑色の変な奴が……
『あれ、お前リンク?』
「あっ!##NAME1##!!」
人だかりの原因お前かー!
変な奴とかだっせえ服着てんなとか思ったが言わないでおこう。
リンクは俺を発見するとすぐさま抱きついてきたが、男のハグなんざ1ミリも嬉しくないので速攻で引き剥がした。周りの歓声は一瞬にしてあっ…(察し)っていう空気に変わったがそんなこと知らん。
「俺、色々とやり遂げたからお前に言いたいことがあるんだ」
『へー。いいぞ言って。どうぞ』
色々と話を聞かせてもらおうと自室に呼び込めば、リンクはなんだか改まったような様子になった。
「俺、ずっと前から##NAME1##のことが好きだった!結婚を前提に付き合ってくれ!」
『うん、無理だ』
何を言うかと思えばそんなことか。無理に決まってんだろ☆
「な、なんでだよ!少しは考えてくれても…!」
『馬ー鹿。俺の中でのお前の立ち位置はもう決まってる。どんだけ考えたって親友ってポジションからは動かないっての』
「ぇ、えぇ……複雑なんだけど…」
『俺だって複雑だよ』
「まさか俺のいない間に好きな人が出来たとか?」
『それはありえん』
こいつの気持ちは薄々分かっていたけれど、俺の心が男である以上男を恋愛対象として見ることは不可能だ。というか、一度元恋人に腹に穴をあけられてしまっては恋愛をしようという気は全くさらっさらに起きないよな。
『俺が身も心も女だったらお前と付き合う未来もあったかもしんないけどな』
「チッ…。来世に期待するしかないのか」
『物騒だな』
お前さては前世俺の元カノだな。
こんなつまらない話は置いておいて、旅の話を聞かせてくれよとせがめば、リンクは「そうだった聞いてくれよ!」と身を乗り出して話し始めた。
世界は広い、俺と同じ名前の英雄がたくさんいる、実は俺勇者だったとか色々聞かせてもらったが、俺勇者だったのくだりで全力で吹き出してしまい頭をはたかれたが、どうか内緒にしてほしい。
『ふっ』
ああ、やっぱこいつとの距離はこのくらいがいい。
恋人同士の絆よりももっと強く太い何かで結ばれているような、そんな気がする。
ずっとこのままいられるといいんだが。
「何笑ってんだよ」
リンクの気持ちは知らんがな。
来世ライフ