来世に期待を抱いて眠る
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##NAME1##が死んだ。
原因は熱中症だったそうだ。
なんて馬鹿らしい。冗談だろう?
そう思った。思いたかった。
でも、冗談なんかじゃなかった。
ポストマンから、##NAME1##の死を知らせる手紙を受け取ってすぐに俺は村へと戻ったけれど、いつもの場所に彼女の姿はなかった。
いつも、帰った時には必ずその場所で笑顔で出迎えてくれていたのに。
村に戻ると、子ども達は泣いていた。
急いで##NAME1##の家に行けば、ベッドに横たわった##NAME1##の隣で声を押し殺しながらイリアも泣いていた。
でも、青白い##NAME1##を前にしても俺は泣けなかった。
今思えば、きっと信じたくなかったんだろう。##NAME1##が本当に死んでいるという現実なんて。
泣きじゃくるイリアに薄情者と罵られても、俺はその場を後にすることしか出来なかった。
後から聞いた話では、##NAME1##は、いつものようにいつもの場所で俺のことを待っていてくれていたそうだ。
そう、いつものように。
ただ一つ違ったことと言えば、その日はいつもよりも暑くて、山羊達もみんなバテていたということぐらいか。
森の外れはほとんど人が通らないため、倒れても誰もそのことに気付けない。
そうして、まんまと##NAME1##は死んでしまったんだ。
暑いから家にいろって言ったのに。
いつ帰られるかも分からないから毎日来なくてもいいって言ったのに。
頬を伝って何かが落ちた。
##NAME1##がいつも待っていてくれた場所で、いつもの彼女のように木にもたれかかって空を仰いでいると、それは次々に溢れてきて、地面に点々と染みを作った。
俺が彼女に何かしてあげたことはあっただろうか。
彼女はいつも俺を笑顔で出迎えてくれ、疲れた俺を労い、美味い飯を食わせてくれ、そして愛してくれた。
それに対して俺は………?
ミドナと共に世界を救った後にも、もっと広い世界が見たいと村を飛び出し旅をして、帰って来ても疲れを癒やしてもらうばかりで、結局##NAME1##には何もしてあげられなかった。
好きだったのに。愛していたのに。
もっと一緒に…いれば良かった…。
止まらない涙をそのままに、俺は背負ったままでいた剣を抜いて首に当てる。
ごめん##NAME1##。
また今度会ったら…
「きっとずっと一緒にいるから…」
俺は、迷うことなく首をかき切った。
来世に期待を抱いて眠る