第21幕
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『さて……』
集中して再度ガクのいるであろう方向を確認する。
私のこの雨乞いの術はチャクラに反応して相手の位置を索敵するものだが、そのチャクラが誰のものなのかまではわからない。まあ木の葉から一直線で進んでいる単身のチャクラだからほぼほぼ間違いないとは思うけど。
順調にそのチャクラは私へと向かって来ている。そしてそれを追うように2つのチャクラも動いている。OKOK。順調順調。
これならあと10分もしないうちにこちらへと辿り着くだろうし、チャクラ節約のためにと雨乞いの術を解いた。
『…………』
が、待てども待てども一向に彼らは姿を現さない。
こちらへは真っ直ぐ進んでいたはずだし、もしかして戦闘になってる?
……だとしたらまずいな…。いくら上忍に成り立てとはいえ、中忍2人では適わないのでは…。
フードの中嫌な汗が垂れるのがわかった。
ドォオオオン
私の予感を肯定するかのように遠くから何かの爆発音が聞こえた。
瞬身の術を使い音のする方向へと急ぐ。
なるだけ生け捕りって言われてるから、いくらあの馬kイチヤでも、爆発だなんてそんな殺傷能力の高い術は使わないだろう。てか確か…イチヤは土遁、フタバちゃんは風遁と水遁使いだったはずだし、爆発を起こせる術なんてないしね。………起爆札使ってたらもうそれは論外だけど。
「フタバさん…ッ!!!」
彼らがいる場所へと辿り着くと、そこは氷の森とでも言おうか、なんとも綺麗で神秘的な場所だったのだが、そんな感動している暇なんてこれっっっぽっちも存在しないんだこっちは。
起爆札だらけの落とし穴に嵌らんとしているイチヤに、それを助けようとしてガクに背後を取られているフタバちゃんが丁度視界に入ってしまったのだ。
『土遁!岩石柱!!』
「ぅおアッ?!!」
イチヤとガクを打ち上げるように足元から岩の柱が隆起し2人は空へと吹っ飛ばされる。ガクは飛んだ勢いでそのまま体勢を整え華麗に着地を決めたが、イチヤと言えばもろに柱にぶち当たったらしく、背中から地面へとダイブしそうになっていたためすかさず体を滑り込ませてキャッチ!!……はちょっと体格差があり過ぎて難しく、2人纏めて地に沈んだ。私をクッションにして。中身が口から吹き出るかと思ったわ。
そのまま逃走を図ろうとするガクにフタバちゃんが水遁の術をぶっぱなし、その間に私は伸びてしまったイチヤの下から一生懸命這い出た。地面は雨でぬかるみ、もしや私がクッションになる必要など微塵もなかったのでは??なんて考えが頭を過ぎったが、切なくなるので一旦置いておく。
『水遁
雨から象られた無数の三日月のような刃がガクに向かって飛んでいく。
ガクは避けることも狼狽えることもせずに脱兎の如きスピードで遠ざかっていく。嘘やんめっちゃ切り裂かれてるのにものともされてない…。
「長谷部隊長…」
『後で話を聞かせて。とりあえずフタバちゃんはイチヤさんについててあげて。
私はガクを追うから』
意識のないイチヤを置いていくことはできないしね…ハァ。
申し訳なさそうに頷き俯くフタバちゃんを後目にその場を後にした。
『氷遁
印を結ぶと同時に降っていた雨は雪へと変わり、あっという間に辺りは雪景色へと変わった。早い話が雨乞いの術の雪バージョンってとこかな。
結構な量のチャクラを練ったから、きっとかなりの広範囲に雪が降っているはず。
まあこんなのは犬や子どもが喜ぶ程度の雪だから、足止めをしたいのならばもっと工夫をせねばね。
『風遁
足は止めずにさらに印を結び、しんしんと降っていた雪はどこへやら、猛吹雪となり私までもが迷ってしまいそうだ。
と言っても、さっきも言ったように神雪葬送もまた、雨乞いの術と同じように圏内のチャクラを感知できるので、私はただひたすらにそれを追うだけなんだけど。
『ガク!!』
迷いに迷っているガクを発見。いい加減諦めてお縄についてほしい。何度でも言うけれど殺したくはないのだから。
振り向いたガクの目は虚ろで、何を考えているのかがわからない。しかも悲鳴も言葉も一切何も発さないし、攻撃しているこっちが逆に不安になる。
それに、私の投げる手裏剣やらクナイやらを捌くその姿もどこかぎこちなく、なんなら捌き切れていない部分もあるし。
本当に上忍なのか?彼は。
『螺旋丸!!』
手裏剣やらに飛雷神のクナイ(通称 術式クナイ)を紛れさせて投げ、捌き漏れのそのクナイへと飛び、背後からミナト直伝の螺旋丸をぶっぱなした。飛雷神・二の段、だよ!
『氷遁
意識を失ったガクを口寄せた縄やら鎖やらで一応雁字搦めにしつつ、さらに捕縛用の術で捕獲した。その氷の檻はチャクラが流れてるからちょっとやそっとじゃ壊れないんだぜすごいじゃろう。
さて、てことであとはフタバちゃん達を回収するだけだね。
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