第18幕
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遅かれ早かれこうなるであろうことは予想できていた。木ノ葉で忍として暮らして、そんで未来を変えようと画策するのならば決して避けては通れない道だった。
事の発端はもちろんあの九尾襲撃事件。
九尾が写輪眼に操られていたこともあり、真っ先にうちは一族へと疑いの目が向けられたわけだ。しかも、その日はうちはの会合があったとか何とかで、大半のうちは一族はあの戦いに参加していないことからも里の者からの評判は良くはなかった。
幸いにも、オビトは怠いとかめんどくさいとか言って会合に参加していなかったから私達と一緒に戦うことが出来たわけだけど、1人が命をかけて戦っていたとしたって、そんなの、あの日家族や仲間を失った人達からしたら大したことじゃない。
"里の一大事にうちはは、木ノ葉警務部隊は何をしていたのか"
任務という名の復興支援をしている時も、目の前に
なんとなく、ミナトが火影ならば木ノ葉も安泰かな、なんて、ミナトならばうちはとの確執もどうにかこうにかしてくれるのではないかと、もはや希望でしかない期待をしていたんだ。
でも、里のあれこれは火影が単独で決められることではなく、相談役という名のクソ老害もとい水戸門ホムラ、うたたねコハル、そして個人的に悪の権化パート2であると思ってる志村ダンゾウが影にいるのだ。
まあ彼らのことはこうして相見えるまで存在すら記憶から消し飛んでいたわけだけど。
「これはこれは…」
タイミングとしてはもう、ね、最っ悪。
オビトからうちは一族への措置を聞いて、それはもう最っ高にアホなことをした自覚はあるんだけど、オビトの悔しそうな顔を見たら火影の執務室に乗り込まずにはいられなかった。
「やあ、オレに会いに来たのかい?」
にこにこと四代目火影ことミナトは私を迎えてくれた。しかしだ。その前に立つ顎に十字傷のある男──ダンゾウは、セリフとしては愉快な感じを醸し出しているけれど、振り向いたその目は愉快のゆの字もないほどに据わっていた。その顔でようその声色が出せたな。
『あー…うん!なんか急に会いたくなって!!』
んなわけあるか。2時間前に顔見たばっかだぞ。我ながら酷い言い訳だ。
「はっはっは。ならばワシが水を差すわけにはいきますまいな」
『あ、ちょっとじろじろ見るのやめて頂けます?』
「こ、こらミノリ…!すみませんダンゾウ様…」
だってあの真顔で はっはっは とか言われてみ?バグっているのではと心配になるよ??ミナトに見えないようにしっかり顔だけこっち向けやがって。威嚇か?威嚇のつもりなのか?
そんでこちらを品定めするかのように上から下までじろっじろじろっじろ見てきてさ、とにかく気持ち悪いからやめてほしい。てかほんとに日本だったらセクハラと言われかねないと思う。こんな初対面の幼女の体を舐め回すように見るだなんてけしからん以外の何物でもない。
部屋を出る時はミナトにも見えるからか、人の良さそうな笑顔で軽い会釈をして退出していった。
「で、本当の用件は?随分急いでいたみたいだけど…」
『あ、えっと…。こないだの九尾襲来の件でうちは一族が疑われていると聞いて…』
その対応について抗議しに来ましたー!とはさすがに言わないけれど、なんとなく言い淀む私にミナトは察してくれたらしい。
「これは一部の人間しか知らないことだけど、九尾が襲撃してくるその前に、クシナの出産に立ち会うオレ達を襲撃してきた者がいるんだ」
『あ、それたぶん私も見た。何故か出産のことを知ってて…』
「彼はオレに"うちはマダラ"だと名乗った」
いやまぁ名乗るのは誰でもできるとして。たしかに九尾をクシナから引き剥がして操っていたのはうちはだったけれども。うちは一族がアクションを起こすには些か早過ぎないか?
たしかこの九尾の事件をきっかけにしてさらに不平不満を貯めていったとかだった気がするけど。
「オレもこれがうちは一族全体のクーデターだとは思えない。でも、上層部が納得できる理由はないし、しばらくは暗部の監視が付くのは免れない。彼らには申し訳ないが…」
『でも…』
ミナトの言い分も分かる。原作を知っているからこそ私もこうしてうちはを庇うことができるのだし、もし知らなかったなら、あの九尾の写輪眼から問答無用でうちはを罵倒していたかもしれない。
『ただでさえ反感買ってるのにこんなの…いずれクーデター起こされたって仕方ないよ』
「ミノリ、滅多なことは言うものじゃない。誰が聞いているかなんて分からないんだから」
『そうだけど…。
でもそれならせめて、問答無用でプライバシー侵害するわけだし、説明して協力を得た方がいいんじゃないの?』
一族大好きの彼らだし、一族からスケープゴートとかは出さないだろう。そして、一族全体が迷惑被っている今なら、この状況を打開するためにも積極的に犯人探しの協力をしてくれないだろうか。なんて。
警務部隊とか言うくらいだし、絶対に協力仰いだ方がいいと思うし、その方がまだ不満は少ないのではなかろうか。
「……それもそうか」
『相談役の人には文句言われそうだね』
火影たるもの!みたいな。
苦笑するミナトもきっと同じことを考えたのだろう。
公務中は難しいため、プライベートでうちは一族の集落を1つずつ回ることとなった。
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