第16幕
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『もうほら嫌な予感がしたんだよ!!』
リンは生きているし、オビトも里に帰って来ている。のに、暴れる九尾のその両目は写輪眼となっていた。一体誰がやったのかなんてとんと見当がつかない。
目が会うや否や、九尾は私目掛けて尾獣玉を溜め始めた。
やばいな。このまま撃たれたらここら一帯吹き飛んでしまう。
瞬身の術を使って移動する最中、一瞬九尾から身を隠して影分身を作り、九尾の近くまで行ったところで九尾の遥か頭上目掛けて飛雷神のクナイを投げ、そこへ分身を飛ばせた。
チャクラで動体視力を底上げしたところで、尾獣玉なんて見たことないし、何をやるにも割と一か八かみたいなところがある。本体でやってうっかり当たったら確実に死んでしまうし、案の定分身は尾獣玉を避けられず、煙すら残さず消えた。
空へと放たれた尾獣玉を中心として雲が晴れる。わーお。そしてさよなら、私の分身よ…。
『雷遁 紫電一閃!!』
尾獣玉を放ったその一瞬の隙をつき、私の開発した術の中でも1、2を争う高威力をもつ新術を食らわせた。
紫色の雷となるほどの高温にするためには多くのチャクラを必要とするため、今後いつまで戦闘が続くかも分からない今この状況ではそう何度も連発できない。
この騒動が落ち着いたら、チャクラ量以外で威力を上げる方法がないか考えてみようか。
ふらつく九尾を里から押し出すためにとさらに追い討ちをかけようとすると、九尾の目から写輪眼が消えるのが見えた。
敵が誰だかは知らんけど、ミナトが撃退に成功したみたいだね。
「ミノリ!探したぞ!!」
『オビト!なんでここに…?!』
原作だと確か若者は皆結界の中に招集されてたはず…。
パッと周りを見渡す限りでは若者は私とオビト以外いなさそう。
「カカシやリンは指示を受けてもう向かってる。俺はお前を探しに来たんだ」
『指示…?』
オビト曰く、若い忍や下忍とかは里の外れの人達の避難誘導を言い渡されてるらしい。隊長は紅の父親だそうだ。
なるほど…?皆にはそう言って結界の中に避難させたのか…。まあそりゃそうか。まともな神経持ってたら、戦わずに避難しろだなんて言われたら普通反発する。
「お前がいなかったから俺はこっそり抜けて来たんだ。俺達も合流しよう」
『私はいかない』
「はっ?何言ってんだ馬鹿!!命令違反になるぞ!!」
『ミナトさんとクシナさんを死なせたくないんだよ!』
腕を掴んでくるオビトの手を振り払った。
一瞬びっくりしたような様子だったが、先程よりも強い力で再度腕を掴まれる。
「……どういうことだ」
ゴゴゴゴ
ズズズン…
『おわっ…!』
大きな音と揺れと共に九尾が里の外へと押し出されるのが見えた。
こんなところで悠長に話をしている場合じゃない。
オビトに腕を掴まれたまま歩き始めようとするが、如何せん体格差があり過ぎるためびくともしない。
「俺も行く」
手を離すよう促すとそう返ってくる。
何を言ってるんだこいつは。私には零尾のチャクラの治癒があるからいいとして、このアンポンタンはうちは一族とは言えただの人なのに。
『ダメだよ。死ぬかもしれないよ?』
「馬鹿野郎!そんなの忍だったら覚悟の上だろ!」
『死んだらリンに二度と会えなくなるよ?』
「だああからお前はもうこの野郎!!
女のお前が戦うのに俺が逃げるわけには行かないだろ!
それに…仲間は俺が守る!ミナト先生もクシナさんも。それにお前も」
『、…』
そんな場合じゃないのに、真っ直ぐこちらを見つめるその視線に顔が熱くなるのを感じた。
『…わかったよ』
しつこく断っても行くのだろうし、時間の無駄だ。
九尾の元へ向かいながら人柱力や尾獣のこと、そして今日の襲撃のことを端的に説明した。
「九尾…リンの中にいるやつみたいなやつか…」
『あれ?リンに聞いたんだ。
そうそう。それのもっと強いやつがクシナさんの中に封印されてたんだよ』
ちょっと語弊があるけど、まあ大体合ってるでしょ。
オビトの質問に答えつつ、しばらく行くと三代目達と合流した。
三代目は私を見ても何も言わなかったけれど、他の大人組は明らかに狼狽えていたし、何人かは私達を追い返そうと声を掛けてきた。ガン無視したけど。
『オビト、九尾を木遁で拘束できたりする?』
「わかんねーけど…やってみる、よッ…!!」
オビトが印を組むと、里に向けて尾獣玉を溜め始めていた九尾を大樹が包み込んだ。柱間細胞を埋め込んでいるとは言えども、この子本当にうちはの一族なんだなぁ。マダラと共にどんな修行を積んだのかは知らないけれど、たったの1年ほどでここまで木遁を使いこなすのか。
「ミノリ!オビト!丁度良かった!
そのまま少しの間九尾を押さえていてくれ!」
「せ、先生!さすがの俺もあんまり長くはもたねーよ!」
「すまない!これほどの大きなものを飛ばすにはそれなりのチャクラがいるんだ!」
『氷遁』
私が呟くと同時に、大樹に囚われていた九尾は尾獣玉ごと大きな氷塊となった。
色々言いたいことはあるけれど、飛雷神を使うべく集中しているミナトにお守りをぶん投げる。
「これは…」
『次は持ち歩いてくださいよ』
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