第16幕
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リンの死だとか九尾の襲来だとか、私が避けたい展開ってのはいくつかあって、その時に少しでも未来を変えるために尽力出来るようにと今まで修行を頑張ってきていた。最初は自分の身を守るためだけだったけれど、守りたい人を守れるだけ強くなりたいなら、きっといくら努力しても足りないだろうから。
オビトの未来を強引に捻じ曲げたことで、今後の展開がどうなっていくのかなんて見当もつかない。私のアドバンテージであった原作の知識も、未来が変わった今では確実なことではないのだ。だから、本当はもっともっと色々なことを身につけたかったし、弱点もなるだけ克服したかった。
それなのに、"その時"は無情にもこちらの都合も知らずにやって来てしまうんだから厄介だ。
「ううううう痛いってばねーッ!!!!!」
『頑張れ!!頑張れ母さん!!!』
クシナの出産は、原作通りに数人の護衛をつけた状態で里の隅っこで行うこととなった。
痛みを紛らわすために叫ぶクシナの手を握る。ミナトはおろおろしてて私以上に使い物にならなかったが、出産に伴って弱まる封印をし直すためには必要なので致し方あるまい。まあ、出産には父親だって立ち会いたいよね。
『水は?飲む?』
「飲むぅうううう…」
『、……?』
クシナに水を飲ませていると、小さく地面が揺れた。
気のせいか?…いや、なんと言っても今日はナルトの誕生日。つまり本来ならオビト襲来の日なのだから、なんでも疑ってかかった方が良いだろう。
ミナトも同じく気付いたようだが、九尾の封印のこともあるし、離れづらそうにしていたため代わりに私が様子を見てくることとなった。
「ミノリッ…ううううう!!!」
『あ、ごめん、なんか地震ぽいからちょっと様子だけ見てこようと思って』
「ああああああぃたああああああ!!」
もはや悲鳴。
ビワコさんもドン引きするレベル。
なんなら私もそのあまりの形相にビビっているが、怖気付いているわけにはいかない。クシナはこんなにも頑張っているんだから。
「頭は出た!もう少しじゃえ!クシナ!」
「ナルトォー!早く出てこーい!九尾は出てくるなぁー!!」
感動の瞬間に私も立ち会いたいが、安全の確保が先だ。
クシナの悲鳴とミナトの応援を聞きながらその場を後にした。
『は……?なんで…?!』
嫌な予感はしていたけれども、まさかオビトを奪還して尚木ノ葉が襲撃されるとは。
近場の高台に上り、目をこらす。
顔岩の近くで巨大な虎?のような生き物が数匹暴れているのが見えた。
大丈夫だろうか。私も加勢した方がいいかな。
いや、でもクシナの方も心配だしな。
「ミノリさん!こんなところにいらしたんですね!!」
突然謎の巨大虎に襲撃されたため、里にいる上忍は討伐のためにと招集されているのだそうだ。
名も知らぬ忍よ、呼んでくれてありがとう。
『わかりました!今から行きます!』
「私は四代目様に声をかけてから参ります!」
クシナ達も心配だが、まずは目の前の問題を解決しなければ。瞬身の術も混ぜながら顔岩に向けて走り出した。
妙な違和感を感じたが、きっとこれは、嫌な予感のうちの1つなのだろう。
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