第12幕
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜が明ける頃には痺れも概ね回復し、雨の中をただひたすらにオビトと突っ走っていた。
カカシのチャクラを追えども追えども、なかなかに距離が縮まらない。飛雷神で飛ぶことも考えたが、まだ自分以外を連れて飛ぶことができないため断念した。
ここでオビトを置いて行ったら、今度こそもう二度と、"オビト"に会えなくなりそうで怖いから。
『リン!カカシ!!』
「ミノリ!!」
いつまでこのチェイスを続ければいいのかと途方に暮れそうになることもあったが、無事に2人に追いつくことができた。
リンには何度も謝られたり泣かれたりして、カカシも端っこで涙ぐんでいたが、やっとこさ私の背後のオビトの存在に気が付いたようだ。
「お前っ…!……オビト…なのか…?」
「嘘……だってあの時……」
「ああ。俺だよ…。久しぶり…2人とも…!」
やはりと言うか。
ちっちゃい頃から一緒だったこの3人の絆は、やはり私なんかが入る隙もないほど固いものなんだなって。肩を組むように抱き合い泣き笑いを浮かべる3人に、あぁやっぱ雷切に飛び込んで良かったな、なんて人知れず喜んでいた。
ここが戦場であるということを忘れてこの時間を過ごしたいが、そういうわけにもいくまい。
とりあえず暴走が怖いから里には行かないけれど、だからと言って、私には三尾も禁個呪の札もどうすることもできないからどうしようね?
『ちょっとリンと話があるから2人だけにしてね』
困惑するリンを連れて草陰へと移動する。
前置きもなしに三尾の話を持ち出せば、リンはさらに顔を強ばらせた。あとは心臓に仕込まれた札のことも。
『何があっても絶対死なないでって言ったじゃん』
「でも…私…!」
『忍としての行動なら正しいのかもしれないけど、言葉にして伝えることもできなくて、それでも里を守りたくて雷切に突っ込んだのかもしれないけど。……もっと私達を信用してほしいよ』
2人に余計な心配をかけたくないから聞かれないようにしたが、でもこれだけはリンに言っておきたかった。
里を想う気持ちは皆同じだ。でも、それ以上にリンを大切にしている人もいるのだから。私含めオビトやカカシも…。
もっと自分を大切にしてほしい。
守りたいものが里でなく仲間達だったなら、きっと私も同じことをしただろうから気持ちは分かるんだ。いや、しただろうって言うか実際しちゃったんだけどさ。
『次やったら、私里抜けてこの世界ぶち壊しに行っちゃうからね』
「…本当にごめんなさい。もうしないよ」
神無毘橋の辺りまで赴いてマダラ探して弟子入りして、原作オビトの二の舞になってやるかんな。オビトがあんな悲しい人生送るくらいなら私がなってやるってんだ。あでももしリンが死んだらオビトは確定で闇堕ちするか。
『で、
「いつまでもこうしているわけにはいかないものね」
『そうなんだよねーー。
あ"ぁ"〜〜!こんな時にミナトさんがいたらなあ!!』
正直ミナトに丸投げする気でいたからな。あの人だったら絶対に、とっとと自分の任務を終わらせたら休む間も作らずこちらへと助太刀に来るはずだから。あの人はそういう人だから。
だからミナトが来るまでは逃げる!なーんて作戦と言うにはおこがましいほど安直な作戦を立てていたわけなんだ。
「ん!呼んだかい?」
とは言え、そんな都合よく事が運ぶとは思ってもいな──
『いや都合良すぎて引くわ』
「ミナト先生!」
もしや最初からずっと見ていたのではないかと思うほどグッドタイミング。
闇堕ちオビトに、肝心な時にあんたはいつも遅すぎる、みたいなこと言われてたけど今日はどうした??
『ミナトさんに頼みたいことがありまして』
「ん、聞くよ」
かくかくしかじかで、リンとオビトに仕込まれた禁個呪の札をどうにかしてほしいことと、リンの中の三尾が暴走しないようどうにかしてほしいことを伝えたら、すぐにリンの封印式を強化する儀式へと取り掛かってくれた。
儀式の最中には2人を護衛しなくてはいけないため、オビトとカカシの手を借りる必要があるからと、話せないリンの代わりに私が全てを伝えることとなった。その際、オビトとミナトの感動の再会もあったが、のんびりしている暇はないとでも言うように2人とも即刻切り替えていた。
カカシは任務の時からほぼ休んでない上雷切の連発によるチャクラの消耗が激しいため陽動に徹してもらい、何度か襲撃はされたものの、主に私とオビトの活躍で難なく敵を退けることができた。
その間に封印式の強化と禁個呪の札の抜去も無事に終わり、やっと私達も里に帰ることができるのだ。
「……ミノリお前、リンのこと知ってたのか」
あー、やっぱ聞かれるよねー。
里へと帰る道のりでカカシに痛いところをつつかれた。
私達の雰囲気に他の3人も気付いてこちらを振り返る。
何と答えようかと考えつつ、私はゆっくり話し始めた。
『実は──』
.