第10幕
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あれから数日経ったある日のこと。
その許し難い事件は起こった。
任務の途中、何やらチラチラとオビトがこちらの様子をやたらと伺ってくるものだから、気になるからやめろと、お前なんなんだよと、そう問い詰めたんだ。
したら、
「お前、やっぱ俺の事好きらしいじゃん?
でも俺、ありがたいけどその気持ちには答えらんねぇ」
『……はあ』
「だって俺には…ずっと心に決めている人が……いや、だから!とにかく!ごめんな!!」
『………………………は?』
照れたように目を逸らしながら、それでいて時々こちらに視線を向けるオビトに、自分でもドン引きなほど冷たく低い声が出た。
えっ?だってなんで私振られたの?しかも周りに人がいるこの状況で??
『ちょっと理由聞いてもいい?』
「え?いやだから、俺は─」
『ちっげーよボケ!!
なんで私は告ってもねーのに振られたのかって聞いてんだよ!!』
どうすんだよこの空気お前!!周りの同情の目を見ろ!!
空気読んでミナトとリンはカカシを連れて掃けてくれたが、草陰からこちらの様子を伺ってんのがバレてんだよ!
「え、え、だってみんな言ってるし、お前も前に俺の事好きって…」
『普 通 に 好きなんだって言ったよね?』
馬鹿だからしょうがないけど、本人から直接言われたわけでもないことを簡単に信じられてしまったのは正直残念で仕方がない。馬鹿だからしょうがないけど。馬鹿だからしょうがないけど!
『……まぁいいや。とりあえず振られておくわ。友達として好きだったんだけどね!!振られちゃったなあーあ!!』
わりと大人気ないことをしている自覚はある。でもいいんだよ、だって私7歳児だもーん。
『ほら、みんな!任務を続けよ!』
気まずい空気を払拭するように明るい声を出すよう努めたが、もはや焼け石に水。
そのギクシャクした空気のまま今日の任務は終了することとなった。
解散する際、苦虫を噛み潰したような顔をしているオビトにリンが声をかけていたけれど、私はそんなみんなをおいてとっとと家へと帰った。
知らん、あんなやつ。
好きだって思ったあの気持ちも封印しておこう。気分が悪い。
「…オビトと喧嘩したって聞いたわよ」
『母さん…』
ほんとにミナトは…なんでもクシナに話しちゃうんだもんなぁ。
時には放っておいてほしいこともあるんだよ、私にだって。でも、そこでミナト本人が来るわけではなくクシナを召喚するあたりずっこいよなぁあの人。
私もクシナに逆らえないってことをさっすがよく分かってるわ。ちくしょう。
かくかくしかじかと説明すれば、クシナは
「なーんだ!そんなの、オビトをボコボコにしてやったら解決じゃない!」
ったくこれだから脳筋は…。
私の冷ややかな目を見てクシナは私の頭にその拳を振り下ろした。
非常に痛い。7歳を殴る威力じゃない。
『そういう問題じゃないんだよね。
なんかムシャクシャもするけど、そうじゃないんだよ…』
ただなんか…悲しい。
そこまで期待していたわけでもないけど、秘密にしてくれるという約束は呆気なく破られ、オビトも私よりも周りの有象無象の言うことを信じた。
これがオビトの好きなリンだったらさ?そんな噂が浮上した時点で浮かれる気持ちもわかるよ?
わかるけど…。でも私だよ?浮かれきってされてもいない告白の返事を考える前にまず事実確認しろよ。…………私の事を信じろよ…。
『とりあえず、しばらくあいつに会いたくない…』
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