第10幕
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最近気付いたことがある。
私、オビト好きだわ。
これが恋愛感情かどうかは別として。
と言うよりぶっちゃけ恋愛感情としての好きがよくわからない。何せこの世界に来る前の私といったら年齢=彼氏いない歴どころか、そもそも好きまたは気になる男子というものが1度たりともいた事がなかったのだから。私には"推し"しかいねえ!!と、そんな客観的に見たら寂しい人生を歩んできたんだよ。主観的に見たら大満足だったけど。
だからと言って、親愛とか友愛とか、そういう好きじゃない気がするんだ。グレーゾーン。何が近いかってーと、うーん…そうだな……。お気に入り…?
しかしながら、別にそれを本人に伝えるつもりは毛頭ないのよね。だって別に、この先の展開とかなんて一切期待していないし。
この距離感が心地いいんだよ。仮にそういう好きだったとして、恋人同士にいずれなったとしたら……そんな自分を想像するだけで吐き気がする。吐き戻しのアリエンティだわ。
で、なんでこんなことを突然考えたのかと言うと、ある合同任務での皆とのちょっとした暇つぶしの会話が原因なんだよね。
ほら、女子って恋バナ好きじゃん。
「ミノリって好きな子いるの?」
『えー、リンとー、クシナさんとー…』
「違う違う。男の子でだよ」
なーんて、元の世界で2億回は聞かれた質問をもう一度聞かれてさ。
まあ、お遊びだしちょっと付き合ってあげようかな、みたいな軽い気持ちで女子ズと始めた恋バナ。こんなに白熱するだなんて、誰が予想出来ただろう。なんか途中から将来の旦那像予想みたいなことになってたし。みんな割と散々な言われようだったけれど、やはりカカシは女子に人気。将来はきっとクールなスパダリだね♡なんて言われてて、ちょっと私の感性が狂ってるのかななんて少し不安になった。
それを告げれば、みんなに「えー!おかしいよー!」とか「うそー!かっこいいじゃーん!」とか口々に言われたけれど、最終的には全員一致の「まあいっか!ライバルは少ない方がいいしね!」という結論に至っていた。平和な結論に至っていただいて良かったわ。
「で、本当は誰が好きなの?」
いるんでしょ、白状しなさいよ。
いや、私は取調室で事情聴取されてる人か何かですか…。
その時、視界の端でオビトが何やら大袈裟な態度をとっているのが目に入った。あれは…まーたカカシにちょっかいかけてんな。
『オビト』
「え、うっそー!ほんと?!」
あ、やべ。
ちょっと意識が逸れてる時に不意に名前を呟いていたらしい。
いっつも話を逸らして回避していた私が初めて男子の名を出したからか、女子ズが沸いた。なんと言うか、そう…ライブ会場。うおおおおおってなった。あと、沸いた女子ズの1人が「あのミスミステリアスのミノリがついに…!」だなんておよよ…と涙を流し始めたからほんとにもうどうしようかと思った。ミスミステリアスて。Miss mysterious?ってことだよね?たぶん。
こんなことになって訂正するのもめんどいしポロッと出てしまっただなんて言っても信じて貰えないだろうな…。ならまぁ…勘違いしてもらったままでいいや、って。ただ、
んで、この勘違いのタネがカカシとかガイとかだったら全力否定しているだろうから、別にそのままでいいやってことになるのは、やはり少なからずオビトに好意があるからだろう。
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