第9幕
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『あ、リンもカカシも見に来たんだ』
「うん!先生から、皆頑張ってるよって聞いて応援しに来たんだ」
だがしかし、来ていたのはうちの班員だけではなかった。リンやカカシがいるということは、つまり仮に
ミヤビちゃんが怯えながら見つめる先にそいつらを発見したが、ついに召集がかかってしまったためオビト、ミヤビちゃんと共にその場を離れた。くそっ、何か嫌がらせしてやりたかった!!
闘技場に集合してみてびっくり。また半数以下まで減ったとは聞いていたが、なんと残っているのはうちの班含め3班のみ。えええそんな減る??別にそんな減る要素なくなかった??あでもモブ忍の皆さんが頑張ってたもんなぁそっかぁ…。
3次試験の説明を受け、トーナメントの表が表示されたため1回戦に出場する者以外は観戦席へと上がった。
他の奴らはどうでもいいや。うちの班はーっと…。
ミヤビちゃんが2回戦目でオビトが3回戦目か…。んで私はと言えば。
『んん〜???5回戦ん〜?』
「というと…明日だね?」
『えええ……』
残り9名ということで1人端数が生まれたため、なんと私がシード枠として1回戦は不戦勝扱いとされてしまった。しかも明日だとか…。
仕方ないから今日は見る&応援する専にでもなるとしよう。
「ミノリちゃん…」
『うん?』
1回戦目のモブ対モブの試合をボーッと見ていると、隣で同じように観戦していたミヤビちゃんから手を握られ意識を戻された。
次の試合をどうやって勝ち抜けばいいだろうかと悩んでいるらしい。
この中忍試験は別に優勝することが目的ではなく、中忍としての資質を示すことが最重要事項なわけで、相手に勝つってのはその手段の1つでしかないからなぁ。
『個人的にだけど…至るところで戦争が勃発しているこの世の中で、重宝される忍って医療忍者と感知タイプの忍者だと思うんだ』
まぁどちらも戦えるに越したことはないけれど。
どうやって相手に勝つかと考えるよりは、いかにして自分の能力の重要性を説くかってことを考えた方がいいと思う。
そう伝えると、ミヤビちゃんは1度泣きそうに顔を歪めるも、首をフルフルと振った後、気合いを入れるように拳を握っていた。
さて、そんなこんなで1回戦目の試合が終了し、続いてミヤビちゃんの試合の番になった。
最初は互いに様子を見るように手裏剣投げ合ったりクナイをカンカンし合ったりしていたが、やはりどんくさいだけあってそう長くは続かなかった。持っていたクナイを弾き飛ばされ、相手から蹴りを入れられ吹っ飛び涙目になっていた。あああ頑張ってほしいけどでも1週間の修行じゃちょっと無理があったよねええ。とりあえず大怪我だけはどうかしないでほしい。
『うううミヤビちゃん頑張って…』
応援とも呼べないくらい小さな呟きだったのに、顔を上げたミヤビちゃんと視線が合い小さく微笑まれた。
その瞬間多数のぼふんという音と共に闘技場の中が見えなくなった。煙玉だ。
何個投げたのかは知らないけれど、観戦席まで煙が上るほどの勢いだ。正直全く何が起こっているのかわからない。が、耳のいいミヤビちゃんなら敵のことも手に取るようにわかるのではなかろうか。
と思ったが、残念ながらそう上手くはいかなかったらしい。
また何度か手裏剣やらクナイやらの音が聞こえた後、きゃっという小さな悲鳴が聞こえたので敵にやられてしまったのだろう。だってあのミヤビちゃんが避けられるはずがないもん…。
まあ未だ何も見えないから分からないけども。
「っおい!あれ!」
やっと煙が晴れてきた頃、その状況にいち早く気付いたのは隣に座るオビトだった。
敵を囲むように闘技場全体に張り巡らされた糸。そしてその全てがミヤビちゃんの足元の糸に繋がっている。
息を飲むしかなかった。
ぷつんとその糸が切られた瞬間、相手を手裏剣の雨が襲った。
あの何も見えない状況で音だけを頼りにあれだけの罠を仕掛けていたのか…。
ちらりとミヤビちゃんの班員達に目を向けると、彼らも担当上忍もただただその試合に釘付けになっており、時には神妙な面持ちで唾を飲んでいる。
が、相手も一筋縄では行かないようで、いくつかは食らっていたが、倒れる程のダメージにはなっていなかったらしく、万策尽きたとでも言うように膝から崩れ落ちたミヤビちゃんの首にクナイをあてがった。
「もう降参してほしい」
「…………こ……降参……」
ここまでか……。いやでもミヤビちゃんも頑張ったよ。十分能力を証明することが出来たと思う。もしかしたら私が1番舐めてたかもしれない。
「…するのは貴方ですっ…」
「はっ…?!」
お馴染みの煙と共に目の前のミヤビちゃんが消え、それと同時に敵の背後から現れた彼女が、今度は自分がされていたように敵の首へとクナイをあてがった。
もう正直何が起きたのかよく分からなかったけれど、煙玉を投げると同時に影分身を作り、さらにはそれを手裏剣に変化させ、最初に打ち合って散らばった手裏剣に混ざるようにして相手が隙を見せるまで待機していたのだと、ご丁寧にミナトが教えてくれた。
よく見ているなと感心していると、煙玉を投げる前と後とで落ちている手裏剣の数が違ったのだと笑いながら言っていた。化け物の動体視力ですね。
相手が降参すると審査員もミヤビちゃんの勝利を告げた。
と同時に観客席がめっちゃ沸いた。中でもミヤビちゃんの班員達が1番喜んでいた。あれ?いい人達じゃん…?
『めっちゃかっこよかった!!』
「ミノリちゃんのおかげだよぉぉ〜」
興奮のままに感動を伝えると糸が切れたように大号泣で抱き着いてきた。が、医療班にすぐに回収され医務室へと連れて行かれていた。
『次はオビトか…頑張ってね』
「おう…任せろ」
というわけでミヤビちゃんの試合の興奮も冷めぬまま次の試合が始まった。モブ子対オビトである。ごめん、もうモブの名前は端から覚える気がないとあらかじめ言っておくわ。
ところでだけども。
オビトの修行の内容を本人からもミナトからも教えてもらえず、結局何が強化されたのかも実は知らないんだよね。1次試験も2次試験もあんまり良いところを見せてもらってないし。って言うか私が
そうこうする内に決着がついたようだ。
『んー…………』
なんと言うか…地味な戦いだった。
相手が女の子だったからか、なんと体術のみで決着がついてしまったのだ。
まあ、よく同じ班であるカカシと比べられてるから霞みがちだけど、元々体術は得意だったからねー、結果も納得は行くんだけど…。
「…何で俺こんなにブーイング飛ばされてるんだ…?」
お気の毒だが仕方あるまい。
観客は激しいのをお求めなのだよ。
そして4回戦目も終了し、明日の説明を受けて解散となった。
個人的には早くもミヤビちゃんのお祝いをしたいところだが、まだまだ3人とも明日に試合を控えているのだからと控えめに断られた。
まあそりゃそうだ。
.