第9幕
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さて、そんなこんなで4日が経過したわけだけれど。
なんと、他の班から謎の襲撃に遭い散り散りになったところを、ミヤビちゃんとオビトが顔も知らないモブ忍に捕まってしまったのだ。
ついでにその謎の襲撃をしてきた班の奴らも全員捕まっていたので、たぶん彼らは馬鹿だったのだと思う。今の時点でライバルを蹴落としてやろうみたいな、そんな邪な考えがあったのかね…。
馬鹿だなぁ、実力に自信がないなら逃げるに徹すればいいものを…。
『さてどうしたもんか…』
気配を消して塔の周囲を見回す。塔の周りに見張りはそこまでいないけれど、身を隠せるものが何一つない…。
ふと、あることを思い出しバックパックを探り目当ての物を取り出す。
そう、1次試験で使った例の巻物だ。他の班は試験監督にその巻物を預けていたけれど、私は特に回収を求められたわけでもないしとパクっておいたのだ。
塔から少し距離を置いて巻物を開いた。
私の予想が正しければ…
「全く君って子は……」
『よっっしミナトさん!』
いくら何でも持ち込み可とは言っても…とやや頭を抱えるミナト。逆の立場なら私もそうなると思う。
「オレが出てくるって確信してたのかい?」
『いやー、八割勘でした。1次試験の時にゴールで待機してたら、ゴールもどきに引っかかった子達が口々に「先生!」って叫んでたので…』
ルールを破って巻物を開けたら…いや、あの場合は開けられたらか。自班の担当上忍が口寄せされて失格を告げられるのかなって。
「なるほどね。
それで、オレに何をしてほしいんだい?さすがに反則ギリギリの方法だからあんまり大したことは出来ないけど、一応聞くよ」
一応聞いてくれるだけありがたいものだ。
とりあえずの作戦…とも言えない作戦を伝えたら、呆れながらも了承してくれたのでいざ乗り込むことにした。
「あっ、波風先輩!お疲れ様です!」
「ん!君達もお疲れ様!」
どういう状況かと言うと、ミナトに俵担ぎにされた状態で今見張りの前を通り過ぎたところ。
遠くの方で「ん?波風先輩って今回いたっけ?」なんて話している声が聞こえた。
万に1つも担当上忍による不正の無いよう、2次試験では班を担当する上忍達は参加していないだろうとは思ったけれど、もし途中でバレたら正々堂々おいろけの術でも使って通ってやればいいかなって。が、見張りの忍が案外間抜けだったものだからあっさり突破できてしまったのでラッキーラッキー。
「じゃあ、オレはこの辺で抜けるよ。頑張ってね」
『ミナトさん、ありがとうございました!』
ミナトと別れ道を進む。
悠長に茶をしばいたり、他の子を留置所へと連行していたりと何人かの通称ハンターを発見し、身を隠した後少しだけドキドキする心臓を押さえて気合いを入れた。
言うてそんなに時間もないため慎重になっている暇はない。
目と足にチャクラを流し、とにかく走った。
途中、やっと気付いたモブ忍達に追いかけられるも、ミナトに回避能力を極限まで鍛えられたこの私に勝てるわけがなかろうて。
あっという間に待機室なる部屋に乗り込み、最後の見張りの股の下をスライディングでくぐり抜けた。その際にそいつの腰にぶら下がっていた部屋の鍵を盗るのも忘れない。
『土遁 土流壁!』
すかさず印を組んで壁を作り部屋の鍵を開ける。と、中にいたのはうちの班ではなかったためまたドアを閉めて鍵をかけ直した。さっき奇襲してきたお馬鹿な子達だったものだからつい。えへ。
「ミノリか?!俺達はここだ!」
と声が聞こえた部屋を開けると、ついに壁を破壊して追っ手が来てしまったためオビトに起爆札を手渡し先へと行かせた。
『先行ってて!
オビト!ミヤビちゃんのフォローよろしく!』
すぐに追いかける!なーんて死亡フラグは立てないぜ。
正直私は逃げられる自信しかないから、2人が逃げる時間を稼げればそれでいい。
「逃げるぞ!追え!」
『行かせるわけないよ、ねッ!!』
私の横を通り抜けようとした忍の足を蹴り上げて転ばせどんくさ印を組んだ。
『多重!影分身の術!!』
廊下にひしめき合う私の分身達。我ながらきもい。
何人の分身を出したかは自分でも把握していないけれど、まあこれで塔の中から追ってくるやつはいないだろう。
分身達の足元を縫い、オビトが開けた壁の穴から脱出を図った。
途中ミヤビちゃんがモブ忍に捕まえられているところを発見したが、上手いことオビトが助けてあげていたので、すかさず私も手裏剣に化けた分身を投げて応戦し、その場は分身体に任せて3人で逃げた。
ピィーーーーー………
大分距離をとったところで終了を告げる笛の音が聞こえた。
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