第9幕
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そしてやって来ました試験当日。
ミヤビちゃんは相変わらずどんくさいには違いないけれど、前と比べて大分動けるようになったと思う。
チャクラ吸着も出来るようになったし、さらになんと…私が何の気なしに発した目にチャクラ流して視力あげてんだーって言葉にそれだ!!と閃いたらしく、応用してさらに聴力を上げられるようになったのだとか。もう完璧に感知タイプの忍じゃないか。これはあれよ。やればできる子YDK。ってか、元々(運動以外のことなら)器用だし努力は出来るし、あそこまでどんくさかったのって、もしかしたら教える側の問題だったのでは??いや、担当上忍が男だったら仕方ないのかな…?ミヤビちゃんの男に対するビビり方半端ないし。
何せ転んだのを起き上がらせようとしたオビトに対してもビビってたからね。ちなみにさっき待ち合わせて顔合わせた時にもやはりビビってオビトもしょんぼりしてた。
ま、まあとにかく。
見違えたもんだよ。やりきったぜ私は。1週間ぎりっぎりまでミヤビちゃんの修行してたもんだからオビト含めての連携とか一っっっ切何にも考えてないけどね!
「1次試験のルールを説明するぞ!」
控え室で中忍試験全体の説明を受けた後、場所を移動して辿り着いたのはピラミッドを彷彿とさせる大きな建物だった。
周りを見渡すとざっと50人行くかいかないかくらいの受験生がいた。子どもからおっさんまで様々だが…んー、でも一番小さいのはやっぱり私かな。
中忍試験全体の説明をしてくれた人によると、1次と2次はチーム戦ってことだから、3人での連携とかそういうのを一切何にも考えてない私たちは少し不利なのではとかほんの少し不安になったけれど、ミヤビちゃんが不安になるかもと思い口には出さなかった。
さて、1次試験のルールだけれど。
ルールの書かれた紙が配られたが、長いのでざっとまとめると
ルール:配られた巻物を時間内にゴールまで運ぶこと。
失格条件:時間内にゴールまで辿り着けない。
ゴールに辿り着く前に巻物を開く。
巻物をゴールまで運べない。
降参の巻物を開く。
ってところかな。
ゴールゴールうるさいな。
その紙に書いてあることが全てだから質問は受け付けないとか言われたからみんな小さくブーブー言ってたけど、まあこれはつまり…そういうことだろう。
そう、紙に書いてなければしていいんだよ。知らんけど。
1チームにつき1つの巻物と、1人1つずつ小さな巻物が配られ、順番に出発をした。時間制限があるものだから皆我先にと行きたがっていたのでついにはクジ引きで決めることになったけれど、私はどうしても確認したいことがあったため、最後という札を引いた班と交換してラストを勝ち取った。
「おいミノリ、なんでさっきの札交換しちまったんだよ!俺達も急がねえと…!」
『んー、確認したいことがあって。詳しくは後で説明する』
パッと見このピラミッド、入口は1つしかないように見えるけど実際はどうなのかな、と。大きいとは言えども瞬身の術を使えばそう時間もかからずに外壁を確認することができるだろう。
「…で、どんな意図があるってんだよ」
『忍者は裏の裏を読まないと。ルールには巻物をゴールまで運べとはあったけど"どこを通って"とは言われなかったじゃん?』
ミヤビちゃんにはなるほど…!と関心されたが、オビトには「そんなの揚げ足とってるだけじゃねーか」と言われてしまった。裏の裏を読むとはつまりそういうことでしょーよ。
『数ある可能性を1つずつ消してくのも大事っしょ』
渋々とだが納得してくれたオビトにも手伝ってもらい、10分かからずもう1つ入口を発見したのでそこから内部に侵入することに。中腹ぐらいから入ることに成功したので、上に向かうのなら大分時間短縮になっただろう。
で、ここからがミヤビちゃんの出番ってもんよ。
『ミヤビちゃん、ちょっと耳すませてもらっていい?んで、ゴールがどの辺にあるか意見聞かせて』
「うん。やってみる…!」
頭上にハテナを浮かべるオビトにこそっとミヤビちゃんの聴力についての説明をしてあげた。
余談だけど、私につられてこそっと耳打ちで返事してくるオビト可愛すぎるとか思ったけど、本人に言ったらキレられそうだからこれは墓まで持ってくことにするわ。
「たぶん…上。頂上付近だと思う。上から微かに声が聞こえたから…受験生だとしたら辿り着くのが早すぎるし…」
でも、あんまり自身はない…とミヤビちゃんは小さく付け足した。うーん…じゃあ一応保険をかけておこうか。
『多重影分身の術』
「うおっ!ミノリがいっぱい…!しかも全部実体じゃねーか!」
ぼふんという煙と共に現れた9人の私。その内の3人をオビトに、もう3人をミヤビちゃんに変化させ、3つの班に分けて色んなところから下の層を攻略してもらうことにした。ゴールがあったらそこで適当に叫んでもらい、そしたらそこに集合すればいい。ミヤビちゃんには負担になるからと耳をすませるのは5分に1回ほどでいいと伝え、探索を開始した。
「ところで、この降参って書いた巻物、何なんだろうな」
『迷った時とかに使うんじゃん?さすがにこんなところ一人一人探しきれないだろうし。
どうせ開いたら逆口寄せされるか、逆に誰かがこっちに口寄せされて一緒に脱出するとか、そんなんじゃない?』
「ふーん…」
あとありそうなのは…ミナトの術式が書かれてて迎えに来てくれる…とか。ってそんな暇じゃないか。
「でもこの巻物、いったい何が書かれてるんだろうね」
「開けちゃダメって書いてあったけど、正直気になるよな。少しくらいならバレないんじゃ…」
『開けるなよ。
裏の裏を読めとは言えども、それは表を軽んじていいってことではないからね』
というか。
ルールとして書かれているということは、ルールを破ったら確実にそれを把握できるようにになってるんだよ。
私にバレなければ浮気してもいいよってのが、私にバレる程度の浮気なら絶対に許さないって意味なのとほぼほぼ同じだよね。暴く自信があるんだよ。
『んっ…?』
しばらく上にあがったり時には天井や壁を壊して進んだりしていると、ついに人のいる広場まで辿り着いた。
ご丁寧にゴールテープのようなものまで貼られ、突破おめでとう!と書かれたアーチまで用意されている。
あからさま過ぎて逆に怪しい…。
ふと思い出したことがありその単語を探していると、私からぱっと巻物を奪ってオビトが走り出したためつい殴って止めてしまった。
これにはミヤビちゃんもびっくり。
だが、
『それ、たぶんゴールじゃないよ』
「はっ?お前何言ってんだ…?」
ミヤビちゃんに索敵してもらうと、案の定まだ奥に部屋があり、そこから複数人の声がすると教えてくれた。
『ルールの紙にさ、しつこいぐらいにゴールゴール書かれてたくせに、ここには1つもゴールって書かれた物がないんだよね』
ゴールもどきにいたその人も感心するように息を飲んでいたのでほぼ確実だろう。
とは言え、1度はゴールテープを切ってみたいと思っていたので遠慮なく切らせてもらい、奥の部屋へと進んだ。
「おお、最後に出発したはずの君達が一番か!」
2度目の引っ掛けを警戒してオビトがキョロキョロするものだから、その試験監督ははっはっはと笑いながら「安心しろ、ここは正真正銘ゴールだ」と告げた。
ゴール後暇そうにしていると、2次試験の概要を書いた紙をもらったのでちょっとした作戦会議をしていたらあっという間に1次試験は終わってしまった。
ざっと読んだ感じケイドロですね。懐かしいね、はい。
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