第2幕
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火影邸最上階、火影室まで来ると、今回は昨日のように一人で放り込まれるわけではなく、ミナトも一緒に入ってくれた。
中では火影が一人お茶会を開いている。
あぁ、そういえば和室だったね昨日は気付かなかったけど。
「ミノリよ、昨日はよく眠れたかのぅ」
『えぇ、そりゃもうぐっすり』
「それは良かった。
……さて、お主も自分の身に何が起こっておるのか知りたいじゃろうて、本題に入るとしよう」
畳に上がって座るよう促され、ミナトと共に火影の目の前に座った。
「昨日の様子を見るに何も覚えていなさそうじゃが……ミノリ、一集落を丸ごと氷漬けにしたことは覚えておるかの?」
『―ゴフッ、ゲホッゴホッ!!ゲホゲホッ!!!』
「えっ、大丈夫かい!?」
火影の入れてくれたあっつーいお茶をフーフーしながら飲んでいたら、突拍子もないことを尋ねられあまりの驚きにむせた。
ミナトが背中をさすさすしてくれるのが心地良い。
『ぢょっ……何"ですかそれ"…』
「雨隠れの里の集落が一晩で氷漬けにされ、その犯人が火の国まで逃亡して来たんじゃと」
『ゴホンッ…。
…えっと…氷漬け?とか逃亡とか、すいません、ちょっとどころか全く以て意味が分からないです』
意味が分からな過ぎて笑えない。
火影やミナトを見ても、ふざけてるわけではなさそうだけれど。
『…でも…だいたい、氷漬けって……んな人外染みたこと……』
「零尾、またの名を氷結の獣……むしろ君しか出来ないんだよ、ミノリ」
「…本人は覚えておらんようじゃがな」
何それ。濡れ衣についてもだけど主にその厨二っぽい二つ名何。
シリアスな雰囲気ほど私笑いたくなる病なんだけども。ねぇ、笑っていい?今お茶口に含んでたらさっきの二の舞になってたよ??
てか、覚えていないんじゃなくてやってないしそもそも出来ないのに。なんて言いたい気持ちを抑えて雰囲気に合わせた顔を作る。
『………仮に私がやったとして、どうなるんですか?
…殺されるんですか?』
「………」
恐怖なんかはない。
最悪の状況も考えはした。一瞬だけ。
でも、それでも怖いという気持ちは少しも浮かばず、むしろ喜びさえ感じている私がいるわけよ。
異世界トリップなんて経験出来て、ミナトや三代目、子アスマとまで会えた。
社畜になって一生を終えるくらいなら、たとえ一瞬でも二次元の世界で生きて、そして死ぬ方がいい。そうは思いませんか
火影を真っ直ぐ見据えて笑う。
『私を殺さないと外交問題にまで発展しますもんね』
「……」
『でも今後のためにも裁判院制度とか作った方が……』
私のような冤罪者を出さないように、と思ったけど、頭の中が覗ける人がいるならいらないねアッハハ!(混乱)
『…やっぱ何でもないです』
「……今この時からお主は零尾の人柱力、長谷部 ミノリじゃ」
ん?
『…………………何て?』
どんな殺され方なんだろう、痛くない方がいいな、なんて考えていて、名前ぐらいしか聞き取れなかった。
そうです私が長谷部です。
「君の中に霊尾を封印したということにしようってことだよ」
『はぁ……え、何で?』
「お主がやったことは間違いないんじゃがな、それがお主の意思によるものだとは到底思えないんじゃよ」
私がやったことは間違いないんかーい。
そんな空気じゃないからツッコまないけどさ。偉いわ私。
『…つまり?』
「殺さないから安心していいよ」
「しかしのぅ、人柱力という存在は、その力を狙う者にいつ何時襲われてもおかしくはないんじゃよ」
『はぁ………』
まぁ、そりゃそうだわな。
原作でもナルトや我愛羅は忍以外にも疎まれてたし。
あとこの時間軸的に、狙ってきそうな奴と言えば大蛇丸かダンゾウか…。変態ばっかじゃんやだぁ…。
「だからお主には強くなってもらう。
ワシらがいつでも守れるわけではないからのぅ」
『……えっと…ちなみに強くってのは…どの程度?』
「そうじゃなぁ、ミナトの攻撃を軽く流せるくらいかのぅ」
『………』
なんだ、馬鹿か。
そりゃあミナトの攻撃が軽く流せりゃ大蛇丸もダンゾウも怖くないだろうけどもよ。
無言でミナトの顔を見上げると、困ったような苦笑いが返ってきた。
「詳しいことはまた後で知らせるから、今日はもう帰りなさい」
『あ、はい』
「ミナトはまだ話があるからここに残れ。
ミノリよ、一人で帰られるじゃろう?」
私が立ち上がるとミナトも一緒に立ち上がったので、てっきり送ってくれんのかと思ったけど、どうやらまだ用事があるみたい。
いやいやいや、って言うか丁度今狙われるかもだから修行しようぜって話になったばっかやん??それなのに1人で帰そうとするなんて馬鹿か?正真正銘馬鹿か??
まあ正直気まずいし都合いいわ、道は曖昧だけどここは頷いておこう。
ドアが閉まる瞬間に見えたミナトの顔は、信用してんのかしてないのかよくわからない、少し戸惑ったような微妙な顔だった。
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